低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

地震によるひび割れ補修は

能登半島地震での災害、お見舞い申し上げます

地震によるひび割れは周りが擦れて欠ける

東北の震災時の東北自動車道ドライブインの店舗のひび割れ

地震によって建物などにひび割れた場合にはひび割れに特徴があります

建物に負荷がかかって壁などにひび割れが発生するとその後の揺れでひび割れを擦るような動きがあります

写真のようにひび割れたその周りが揺れでひび割れは欠けた状態となります

コンクリート構造物に発生するひび割れのその原因は大きく分けて3種類ほどあります

コンクリートの乾燥収縮で発生するひび割れ

建物の構造によって発生する構造クラック

構造物の揺れによって発生するひび割れ

乾燥収縮の場合は例えば壁であれば真ん中ではなく端の位置に発生するという特徴があります

コンクリートの乾燥時に発生しますから比較的引っ張りに弱い箇所に発生するので端の方にひび割れるのだと思います

構造クラックの場合はひび割れが同じ方向に発生するという特徴があります

マンションなどでL型に配置された建物の場合はどちらかに引っ張られたように同じ方向にひび割れは発生します

地震などの揺れによるひび割れは例えばその場所とかひび割れの方向などには関係がなく色々な箇所に発生しています

そしてひび割れ幅が比較的に大きくひび割れが擦られてひび割れの周辺も欠けています

コンクリート構造物にひび割れが発生してもその発生には色々な要因がありその姿も変わってくるという事だと思います

ひび割れの補修方法は発生の原因は多くあったとしてもその補修方法はみんな同じです

トンネルのひび割れも大きな橋のひび割れも住宅の基礎のひび割れもその補修方法は同じなのです

割れたコンクリートの隙間にコンクリートよりも強い接着剤を確実に充填してしまえば再度同じところからひび割れることはありません

コンクリートよりも強いという表現はコンクリートの引張強度よりも強く圧縮にも強いという事です

例えばコンクリートの引張強度は解りやすく言えば1㎠の角棒を両方から引っ張ってその強度を計ると30~60㎏/㎠が一般的なコンクリートの強度です

補修に使うエポキシ樹脂の場合は1㎠の角棒を引っ張ると70~90㎏/㎠が一般的なメーカーの数値です

注入材としては他にアクリルとかセメントスラリーなどありますがそもそもひび割れ補修の低圧注入工法には不向きだという欠点があります

地震で建物にひび割れが発生したとしてもほとんどの場合は直ちに建物が崩壊するというようなことはありません

ひび割れは長期的に問題となるという事ですから直ちに補修しなければという事はありません

東北の地震の際も建物のひび割れ補修は発生から数か月してからの依頼が始まっています

生活が落ち着いてからですよね

問い合わせはnacatacoboe@mua.biglobe.ne.jp     https://www.nacatacobo.com

 

外壁タイル浮き部注入工事の基本は

注入に必要な道具

ワンダーガンは切り粉除去の必需品

液漏れ防止のウエスは圧が抜けるまで取らない

都下の郊外のマンションです

ベランダのタイルが一部落下したそうで、剥離以外の浮いているタイルのみエポキシ樹脂で補修します

全面注入でピンニング工法となります

剥がれた部分は在庫のタイルで新しく張り替えています

本来なら浮いている部分も剥がして新しく張り替えるのがベストなのですが一般的にも新築時に焼くタイルの在庫数は限りがあります

今回もすべてを張り替えるには在庫がないそうです

今回は浮いている箇所すべてに全面エポキシ樹脂を充填してタイルを固定します

この仕事は最近は非常に少なくなっています

ひと昔前までは鉄筋コンクリート造りは躯体の上にモルタルで不陸、バリなどを隠すために厚さ20~30㎜厚さを塗っていました

その後型枠などの技術等の性能が上がったためにかなり昔からこのような化粧のためのモルタル塗りは無くなっています

したがってモルタルの浮きと言うそのものが無くなっています

今回のようなタイルの浮き補修がこの仕事の大部分となっています

今回の剥がれたタイルの裏側を見るとタイルには接着剤はしっかりと付着していますので剥がれたのは下地調整のために塗っていた樹脂モルタルがコンクリート躯体から剥がれたのが原因となります

もしもタイルとコンクリート躯体が直接に接着剤で付けてあれば剥がれなかったという事です

本来ならば下地調整の樹脂モルタルは必要がないのですが、コンクリートの打ち放し面には巣穴とか型枠のバリなどが残りますからどうしても下地調整は必要となります

外壁のタイルが剥がれたりするのはその原因はこの下地調整材によるものが殆どで間違いはないと思います

今回は浮いたタイル4枚の真ん中の目地に一穴を穿孔して4枚の浮き部にエポキシ樹脂の高粘度型をグリスポンプで注入をします

最初の写真は使用する器具と道具です

施工手順は

①打診棒で浮いているタイルを探してマーカーをする

②振動ドリルで5㎜径の穴を深さ50㎜として穿孔する

③穴の中の切り粉をワンダーガンで除去する

④グリスポンプでエポキシ樹脂を打診棒で確認しながら注入する

一度のストロークで1.4ccがJIS規格品ですから打診の音が変わったら何回注入したら何グラム必要かが解ります

⑥圧が抜けたらウエスを取ります

⑤全ねじのステンレスピンを挿入し清掃完了です

目地セメントをタイル屋さんが施工しクリーニングしたらすべて完成です

施工については色々と方法があります

今回は広い範囲が浮いていますから一度で樹脂を注入しようとしても施工時の注入するその圧力でせっかく音が変わったのに再度共浮きを発生させます

そのために一日目は真ん中付近とか共浮きが発生しそうな箇所にだけ注入をしておきます

次の日には既に接着剤が硬化していますから、強く全面に注入しても共浮きは防げます

一気に仕事を済ますようなことは考えないで固定しながら施工するという考え方が必要です

この注入工事で注意すべきことは

○ドリルで穿孔した時に切り粉が穴の中に残りますがこれを除去しないと樹脂は隙間には入っていきません

今回は強力なワンダーガンを使用していますがカートリッジタイプのエアースプレーでも除去できますので必ず穴の中は綺麗にして

○注入時に常に打診棒で叩きながらすると確実な仕事ができます

○振動ドリルは大きな音が出ますので必ず事前に入居者にはお知らせをしてくださいまっせ・・怒られるのは職人なのですから

○共浮きの発生は常識ですから必ず併用工法を考えてください

 

まずますの仕事ぶりでした

 

 

 

ひび割れたタイルの場合は

フロッグに超低粘度エポキシ樹脂を注入

久し振りの更新です

今回は関東の地方都市の図書館の改修工事です

外壁のタイルがひび割れている箇所の改修方法については一般的には次のような方法があります

① ひび割れたタイルも浮いているタイルもすべて剥がして広範囲に躯体を出して躯体にひび割れた個所は低圧注入工法でひび割れた部分を元通りの強度に戻して新たに新しいタイルを貼る

② タイルなどは剥がさないで浮いているタイルは目地に穿孔して(16穴/㎡)その穴からエポキシ樹脂を注入し更にピンを挿入して穿孔した穴を補修する

ひび割れたタイルはそのままにしてそのひび割れた個所に低圧注入でエポキシ樹脂を注入する

ひび割れたタイルは施工前と同じでひび割れはそのままの状態

 

③ ひび割れたタイルの部分のみタイルを剥がして躯体のひび割れを現しにしてその部分から低圧注入工法等でエポキシ樹脂を注入をします

タイルの浮きについては浮いているタイル一枚一枚に穿孔してアンガーピンニングで固定してエポキシ樹脂を注入しています

今回は③の方法で施工します

この改修方法は建物の外壁補修工事の中では大変に手間と費用が掛かりますが建物の耐久性とか落下事故などについて考えれば大変に理想的な施工方法だと思います

我々はタイルが撤去されて現れた躯体のひび割れにフロッグを取り付け確実に樹脂を注入します

超低粘度型のエポキシ樹脂を注入してフロッグの中の樹脂が少なくなったら更に樹脂を注ぎ足します

仕上げは低粘度型のエポキシ樹脂を注入します

低圧注入工法は樹脂に圧力をかけて微細なひび割れの中に樹脂を充填するわけですが少しでも隙間があれば樹脂はその部分に侵入していきます

シールに少しでも隙間があればエポキシ樹脂はその隙間に入り込み他の個所を汚してしまいます

フロッグを取り付ける時にこの隙間を造らないように確実にシールをしなければいけません

エポキシ樹脂は洩れた時は透明ですが硬化して紫外線が当たると黄色く黄変します

樹脂が洩れて汚れたままにしておくと足場を外して数か月でその部分は黄色く黄変します

その黄変したものは溶剤などでは簡単には拭き取れません

エポキシ樹脂は最強の接着剤ですから簡単には除去できません

バーナーなどで温めないと決して取れることはありません

それを防ぐためにも慎重に隙間のないシール施工が必要なのです

今回は我々の技術を取得したいという若い方たちが施工に参加していますので、教える私も真面目に肝心なところの要領をしっかりと教えています

施工の目的を理解さえできれば施工に慣れるのに時間がかかったとしてもいい仕事ができると思います

今回は完成の写真はありませんが周囲の汚れは全くなく検査にも合格です

 

今回の仕事ぶりは「ぐっと・じょぶ・・べりべりなぃす・・よかとよ」の監督さんの評価です

 

 

コンクリートのひび割れ補修はフロッグが最適

ひび割れが詰まっているときはひび割れを現す

フロッグの注入システム

 写真は擁壁のひび割れ注入と図はフロッグの注入システムの機能です

 フロッグは樹脂の注ぎ足しが簡単にできて、その動きが遠くからでも良くわかります


インターネットでコンクリートのひび割れ補修と検索すると色々な方法が出てきます

どれが自分が補修したいと思っているひび割れに効果があるのか素人の方にはさっぱり解らないのではないかと思います
例えば体の切り傷の治療方法とその薬をと探すとそれこそ沢山の薬とか治療方法が出てくると思います

吹き付ける消毒薬で治るとか、塗り薬がよく効くとか、いやいやそれほどの傷ならば病院で縫合手術が必要だとか・・・・

コンクリートのひび割れ補修もよく似たところがあります

ネットを見てみるとひび割れの上に接着剤を擦り込む材料とか樹脂モルタル系のものを塗るとか、ひび割れの上に溝を造りその中にシーリング材をシールして塗装するとか、そしてひび割れの中に接着剤を充填してコンクリートの強度を戻すなど・・

それこそこんなもので補修できるのかというようなものまで載っています

コンクリート構造物にひび割れが発生した時になにが問題なのかをよく知ることが必要です

コンクリートにひび割れが発生してそのひび割れが裏側まで貫通しているのかまたは表面だけのひび割れなのかその違いで問題点は違ってきます

ひび割れが貫通していればそのひび割れた隙間に湿気とか空気が常に通ります

コンクリートはアルカリ成分ですから内部に鉄筋があってもアルカリ成分で包んでいればそれこそ50年以上経っても鉄筋は錆びることなどはありません

しかしひび割れが入りその隙間に湿気とか酸素が入り込むと経年変化でコンクリートはアルカリ成分から中性化へと変化してしまいます

コンクリートが中性化するとコンクリートは脆弱層となり内部の鉄筋は酸化して錆びてきます

鉄筋が錆びると鉄筋は膨張しますから脆弱層を簡単に内部から剥がしてしまいます

一般的には爆裂と言います

ひび割れの補修方法で表面から接着剤を塗っても、ひび割れを削って溝を造りシーリングしてもその材料が再び割れたりしない限りこの中性化による爆裂は防げると思います経験からすればひび割れが貫通していると裏側から湿気等が侵入し、表側に太陽が当たりコンクリートの温度が上がってくると内部の湿気は水蒸気となり暖かい方へと強く出ようとします

せっかく擦り込んだ接着座を簡単に割れさせてしまいます

外壁の塗装剤が風船のように膨れているところを見ることがありますがこれなどは湿気が塗装剤を膨れさせて剥がしているのが原因なのです

ひび割れが貫通していない場合は、例えば切り傷で血液がにじむ出る程度なら消毒液を吹き付けるだけでいいという程度の治療と同じで補修の方法も接着剤を擦り込む程度でいいと思います

コンクリート構造物の強度をひび割れる前と同じ状態にするという事ならひび割れの中にコンクリートよりも強度がある接着剤を隙間に充填する方法がベストです

自動式低圧樹脂注入工法がこのような工法の共通した名称となります

低圧樹脂注入器具には各社のいろいろな器具かありますが現在はJIS規格がありませんのでそれこそひび割れ幅によっては全く機能しないような器具もあります

ひどいものには壁と床のひび割れは注入できるけど天井面のひび割れは注入できないものもあります

また硬い樹脂は注入できない製品もあります

コンクリート構造物に発生するひび割れは決して一定の幅とか深さではありません

ひび割れ幅が例えば0.1~0.2ミリ幅までは超低粘度型のエポキシ樹脂しか入りません

ひび割れ幅が0,5㎜幅以上は中粘度型もしくは高粘度がたのものでなけれはせっかく注入しても樹脂が柔らかければ内部で流下して外に出てしまいます

貫通したひび割れは瓶底のように底がある訳ではありませんので際限なく注入してもその樹脂は流れ出すだけなのです

しかもひび割れは表面は0,3㎜幅であっても内部は狭くなっていたりジャンカがあつたり

広くなったりしています

ひび割れ幅と樹脂の硬さには必ず適合性があります

注入施工は超低粘度型の樹脂から始めて低圧注入器具の樹脂の減り具合で次の硬さの樹脂を注ぎ足すという事をしなくては確実な注入での充填はできません

輪ゴムで圧力をかけるなどの器具では樹脂の注ぎ足しもできないし中粘度型以上の硬さの樹脂は注できないようなのでダイジョブなのかな

何故このような基本的なことができないような器具が多く出回っているのか、更にはそもそも低圧注入施工を生業としている職人さんが全国でもほとんどいないのは何故なのか

それは簡単な理由です

注入した結果がすぐには簡単には解らないからという事

公共事業でも素人に近い人たちが注ぎ足しをしないで平気で仕事をしているのも注入の結果が検査ができないという事が原因なのです

検査がないのなら素人でもいいかと・・・

国交省とか日本産業調査会(JIS規格)がしっかりしないとこれらも中国に追い越されるよ

中国ではライフラインの整備という事で鉄道などの橋脚などのひび割れ補修などを研究しています

 

 

 

 

 

 

 

一級河川に架かる大橋

ひび割れ幅の確認とマーキング

剥離性シール材の攪拌

シール材の施工

フロッグの取り付け

シール材が硬化したら樹脂注入

エポキシ樹脂注入


久し振りの更新です

今回はフロッグの代理店さんの施工グループの職人さん達が施工しています

ここの職人さんたちは基本から勉強して基本通りの施工をしています

ひび割れの幅にあった樹脂を選定して超低粘度型のエポキシ樹脂から注入しています

基本通りです

コンクリートに発生している微細なひび割れは、直ちに建物の構造に影響するものではありませんが長期的にみるとひび割れの中に湿気と空気が入り込み周りを中性化させてしまいます

中性化するとコンクリートは脆弱となり更にコンクリートの中にある鉄筋を錆びさせてしまいます

鉄筋が錆びると鉄筋は膨張しますから脆弱になったコンクリートを簡単に爆裂してしまいます

数年前から国交省都道府県で日本中の橋の劣化等を調べて早急に補修が必要な橋については順次補修をしているようです

今回は利根川にかかる箱形の大橋のひび割れ補修にフロッグを使っています

箱形の橋は川幅が広い道路のみに架けられています

微細なひび割れの中にエポキシ樹脂を確実に充填するには色々な技術と意識が必要です

注入の結果が見えないという事がこの仕事の最大の問題点なのですが、結果が見えない仕事だからこそ丁寧に確認をしながら施工することが大切です

結果が見えないのなら、そして直ちに構造物に影響はしないのなら適当でもいいじゃないか・・

と考えて全くの素人に近い職人さんたちがこのような公共の構造物で施工したという話をよく聞きますが残念に思います

阪神の震災の時にJRの橋脚が崩壊した原因はひび割れの中に角材が入っていたという事が強度を保てなかったという話があります

もしもひび割れの補修をひび割れ補修の専門職人さんが立ち会って施工していたのならそれはすぐに何かが埋まっているのではと解ったと思います

コンクリートに発生しているひび割れには色々な特徴があります

例えばひび割れが打ち継ぎ目地から基礎部分までなら、ほぼ貫通しているひび割れだと推察できます

亀甲状態のひび割れの場合は表面をモルタルで補修した場合に発生する症状とか

ひび割れが真ん中に短くある場合は、コンクリート打設後に何らかの理由で補修したとかまたは内部になにか埋まっているなどの場合に起きる症状だと経験から推察ができます

塗装屋さんも防水施工店も大工さんもそれを生業として真面目に施工しているのに、注入工事は兼業の職人さんとか殆ど素人の職人さんが多く仕事をしているという事にそれでは対価に値する仕事はできないのではないかと思います

暑さで仮止めのシール材は硬化が早くて大変ですが、この仕事の重要さを考えて頑張りましょう

 

 

浄水処理場の水槽のひび割れ補修

打設後3カ月のコンクリートのひび割れから漏水

ひび割れにフロッグを取り付けて水中硬化型エポを注入

ひび割れが床スラブの所から天井付近の打ち継ぎ部までひび割れが発生しています

地下1階部分なので漏水は隣の貯水槽からのものです

普段は水圧がかかっているので止水工事は圧力との戦いですが、今回は新設の為に水を抜いてもらっていますので水圧はあまりありません

この場所は既に遊離石灰が結晶化して漏水の個所はすぐにわかりますが、他の個所で壁面が前面に濡れている場合はバーナーでコンクリートを乾かしながら探すとスグにひび割れが分ります

コンクリートの表面をバーナーで暖めるとひび割れの中の水は暖かい方へ出ようとしますからひび割れの乾いたところに細く水が沁みだしてきます

その場所にサンダーでフロッグの取り付け位置を切り込みそして急結セメント、もしくは速乾性のエポキシパテで取り付けとシールをします

注入する樹脂はエポキシ樹脂の低粘度型の水中硬化型をフロッグから注入します

フロッグは最大20キロ以上の圧力が出ますからひび割れから滲みでてくる水をフロッグで押し返します

翌日に撤去して付近から水が出てこないのを確認したら完了です

他からにじみ出てくるようなら同じことを何度も繰り返します

止水工事は宝くじのようなもので一発で止水出来れば予算以内で終われますが何度も繰り返すと赤字になります

もつとも赤字なら泣きついて予算を付けてもらいますけど・・・

 

昨年にもこの地区には何度か来ていますがこの東北の町は好きな街です

ホテルの前が駅なので深夜の電車の音は赤ちょうちんの世界に戻ります

ひび割れが発生したらまた来ますね

 

 

 

 

 

 

住宅基礎部のひび割れ補修

ひび割れ幅の計測

フロッグのセッティング

注入した樹脂がこんな所に

引き渡し直前の住宅です

最近は内覧の時にもお客様が床下まで入って見ていくそうです

外部は柔らかい樹脂モルタルで化粧をしていますからひび割れなんて見えないからとのことです

今回は我々でも見えなかったところから注入していた樹脂が漏れ出してきました

そもそも基礎の場合は耐圧版から400~500㎜の高さで打設してありますから乾燥収縮によるひび割れは縦方向が殆どなのですが今回は一ケ所ですが横方向にひび割れています

ひび割れ幅は0.2~0.3㎜なのですが、ひび割れが見える箇所に低圧注入器具のフロッグを250㎜間隔で取り付けています

注入する樹脂はエポキシ樹脂の中で一番柔らかい超低粘度型(牛乳とてんぷら油の中間程度の硬さ)の樹脂から注入を始めます

ひび割れ幅とこの樹脂の硬さには適合性があります

ひび割れ幅が0.3㎜以下の場合は必ずこの超低粘度型のエポキシ樹脂から注入を始めます

ひび割れの幅は決して一定ではありません

場所によっては表面は0.3㎜あったとしても奥に行くと0.1㎜幅かもわかりません

0.1㎜幅のひび割れには通常の低粘度型(300~700mpa・s)では注入ができません

超低粘度型(100~150mpa・s)の柔らかさでなければ樹脂はひび割れの隙間には侵入しません

このmpa・sの単位は蒸留水が1となります

水の150倍程度の硬さがてんぷら油程度となります

ひび割れ注入の原則は必ず超低粘度型の樹脂から注入を始めてフロッグに樹脂が無くなったら注ぎ足しで低粘度型の樹脂を注入します

このフロッグは高粘度型の樹脂も注入ができますからひび割れ幅が1㎜の大きなものまで注入ができます

確実にひび割れの中に樹脂を注入するのなら現場には必ず超低粘度型、低粘度型、そして中粘度型を持っていかなければいい仕事はできません

ひび割れの幅は決して同じ幅ではありません

さて今回のこのひび割れですがひび割れが見えるところにフロッグを取り付けて超低粘度型の樹脂を注入したら2時間ほど経過した時に今まで見えなかったところから樹脂が流れ出してきました

鉄筋の周りに生コンが回ってなくてジャンかになっていたのだと推察できます

注入はトコロテンの突き出しと同じでひび割れに樹脂が充填されると更にフロッグの圧力で樹脂は押されますから隙間があれば侵入してそして出口があればそこからあふれ出すという機能になつています

溢れてくるという事はその隙間が樹脂で満杯になったという事になります

横に走るひび割れはあまりありませんが、今回は注入によってひび割れの隙間にエポキシ樹脂が充填されてしまいましたからその強度は元に戻ったと言えます

コンクリートの引張り強度は40~50㎏/㎠ですがエポキシ樹脂は70~90㎏/㎠ですから隙間に確実にエポキシ樹脂が充填されると強度はコクリートの力に戻るという事になります

強いエポキシ樹脂を注入しても補強とはなりません

引っ張った時にエポキシ樹脂からは破断はしません、破断するのは弱いコンクリートの方になりますからコンクリートよりも強くなるという事はないのです

 

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