低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

コンクリートのひび割れ補修は臨機応変に

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大型のコンクリート構造物の屋上にひび割れが発生して1年前にひび割れの補修としてUカット工法で工事をしています

1年経過でそのUカットした個所から雨漏れが発生して短期間での補修を依頼されています

そもそもコンクリートに発生したひび割れの補修方法でこのUカット工法と言う工法を採用するには色々な条件がある筈なのですが施工が簡単で解りやすいという事でマンションの外壁などでも利用されているようです

首都高を走っているとたまに見かけますが建物の外壁にミミズか這ったような黒い染みが窓下などにありますが・・・それはひび割れを削りその溝にシーリング材等を埋めて

補修している跡の汚れなのです

 

コンクリートに溝などを造り削ってしまうとどんなやり方をしても数年後には必ずその補修跡は現れてきます

良く経験した職人さんならやらない施工方法なのですが簡単で解りやすい方法という事で未だにこの工法を採用する業者はあります

 

国交省の共通仕様書でもこのUカット工法については記載がありますがそれには条件があります

発生するひび割れには色々な原因がありその原因によってはUカット工法も採用しようという事です

 

例えばひび割れ幅が0.3㎜から0.7㎜程度ならコンクリートの乾燥収縮によるものとか構造的な動き等でそんなに頻繁にそのひび割れが広くなったり狭くなったりは可動しないものですが、例えばひび割れ幅が1㎜以上もあれば常識ではその原因が乾燥収縮と言うものではなく構造物にかなりな力が加わって常に動きがあると見れます

そこで国交省では明らかにひび割れが動くものと予想されるものにはひび割れの上に目地を造り動きに対応できる弾性シーリング材で補修しようという事なのです

動きが予想されるひび割れにコンクリートよりも強いエポキシ樹脂などでひび割れを固定してしまうと動いた時にはその付近に更にひび割れを発生させてしまいます

 

今回は何かUカットをする要因があったのでしょうが案の定1年も経たないうちにその個所から雨漏れが発生しています

 

この補修の方法ですがコンクリートに溝を造ってしまっていますから元に戻せるわけはありませんので溝の中のモルタルとシーリング材を撤去してそして溝の中のひび割れを探して低圧注入フロッグ工法で注入するのが良いのですが時間と費用の問題がありますので少なくとも5年間は保証できるという方法で写真の方法を行っています

5年経ったら必ず劣化するという事ではなく数年に一度は塗料を塗り替えれば10年以上は大丈夫な筈です

 

施工方法はブチルゴムの未加硫で出来た粘着性のテープで表面にはアルミ箔を蒸着しています

このブチルゴムの未加硫製品は車両とか土木のU字溝の接合部とかカルバートの接合部によく使われています

紫外線の当たらない所に使用すれば半永久的に粘性を保持できます

接着剤ではなく粘着剤なのです

 

話は飛びますが物を接着させる原理は未だに解っていないという事は今も・・

若いころ入社の時に教えられましたがもう殆ど覚えていませんが化学的結合とか分子の結合とか物理的結合とか・・・・ガラス板二枚を合わせると離れなくなるのはその原理は何か・・

 

どちらにしても今回使用するのは接着ではなく粘着材なのです

この粘着剤の利点は時間と共に下地に対して強く張り付くという事です

ガムテープなどで見られますが貼り付けたすぐにはゆっくり剥がせば取れますが1年も放置したものは剥がれなくなるという粘着剤特有の性質があるという事です

 

Uカットした上にプライマーを塗布しそしてブチルテープを貼り付けます

均一に押さえたらテープの周りは全て変性シリコーンのシーリング材で押さえてしまいます

長年の雨風に剥がされないように・・・

そして仕上げは外部用の油性ペンキで仕上げます

 

この方法は意匠的には使えませんが見えない所で短期間で早く防水をしたいというような個所には使えると思います

 

ひび割れの補修では何が一番正しいのかはその目的によって違ってきます

ひび割れたコンクリートの強度を戻すにはエポキシ樹脂による低圧注入工法が最適ですが単に強度にも関係のない個所とか取り敢えず防水とかの場合はシーリングだけでも間に合う場合がありますから臨機応変に勉強して頂きたいのです

 

今週は晴れが続くので仕事もやっと進みます

今はGOTOなんとかも使えそうにもないよね・・・・

 

 

 

 

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