低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

浄水場のひび割れ補修

床にひび割れが発生

階上床から注入したら階下の天井のひび割れからエポキシ樹脂が漏れてきた

 

久しぶりの更新です

今回は生活に大切な浄水場の増設の建物のひび割れ補修です

浄水場に勤務しているとか内部へ出入りする業者は当然の事なのですが必ず検便の検査を受けて色々な菌の防御が必要となります

我々職人もそれは必要なのだそうです

今回のひび割れはコンクリート打設後1年未満の状態ですが微細なひび割れが発生していて床に水をこぼすとその水がひび割れを通じて階下に漏れてくるそうです

では我々の注入施工でも注入した樹脂は水と同じように階下に落ちて行くという事になります

階下の機械類等を大きなブルーシート等で養生をして気兼ねなく樹脂を入れたいと確実な養生をお願いしていますので遠慮なく注入ができます

ひび割れ幅は0,1㎜~0.3㎜程度なのですが最初の超低粘度型の樹脂を注入するとフロッグの中の樹脂は数分でなくなります

その段階で樹脂は必ず階下に漏れていると推察ができます

注ぎ足しの樹脂は低粘度型を注入していますが樹脂の減り具合は意外に早いので3度目の注ぎ足しは中粘度型(マヨネーズ型)の樹脂で仕上げとしています

樹脂の流下を防ぐためにも最後は中粘度型の樹脂が不可欠なのです

階下にひび割れた個所から樹脂が垂れてきますがそれは推定通りなので室内への立ち入りを規制してもらっています

エポキシ樹脂が服に付くと沁み込んでいる事もありシンナーで拭いても取れませんので硬化後には布を擦っても布が折れて破れてしまいます

今回の施工は女性グループに施工をしてもらっています

女性特有な繊細さと丁寧さがこの低圧注入工法には女性が向いていると私は常々に思います

現場に女性が入ると現場の雰囲気も変わりますし殺伐さもなくなると歓迎すべきことだと思います

いつも思いますが現場での朝礼にラジオ体操はいらないと思いますよ

ラジオ体操ぐらいで体調が慣らされる程度の体力ならそれは体力不足ですよ

参考ですが首都圏の高齢者の野球、ソフトボールでは必ずラジオ体操から始まります

スポーツの前にはラジオ体操は不可欠だと頑固に考えている方が多いのです

MLBでもアップにはラジオ体操がいいですよと言うと・・・

大谷とか山本選手が恥ずかしがるかもよ・・・

 

 

 

学校のプール下の止水工事

水槽の下はまるでサウナ

ひび割れの隙間にエポキシ樹脂を充填

この部分は完了です

梁からの漏水は可とう性エポキシで止水後に必ず押さえておく

何故かひび割れの上に発泡ウレタンを塗布しているけれど接着していない

急結セメントで止水を行い表面にエポモルを塗布

 

夏休み中に終わらせたいという事で静かな学校の中で地下にもぐって止水工事をしています

止水には我々は小学生タイプとか超強者などとその水漏れの段階的な評価をします

止水で一番厄介なのは漏水してくる水に圧力がかかっている場合です

例えば地下水とか貯水槽の壁面などは微細なひび割れから少しづつでも水が漏れていてもそれを防ぐと圧力がかかっていますから少しでも隙間があると離れたその部分からも漏れ出します

今回のようにプールわきの床面から階下に漏れてくる水には殆ど圧力がかかっていませんので急結セメントでも簡単に止水はできます

今回は小学生タイプの漏水程度でした

急結セメントはセメントに水を入れて混ぜると僅か20秒ほどで硬く固まってしまいます

水が漏れている箇所を見つけたらその部分に混ぜた急結セメントをすぐに押さえつけて20秒ほどすると見事に固まって水も止まってしまいます

慣れてくると手早く長いひび割れでも簡単に止水ができます

水が止まったらそのままだと水は止まっていますがその急結セメントは常に湿気を帯びていますから我々は必ずその上にエポキシ系の可とう性エポキシ樹脂を塗布しておきます

長年経っても地下室などでは殆ど変化はしません・・安心です

止水はそれこそ経験と材料の知識が多く必要です

例えば今回は他の業者が先に止水工事をやったのですが結局は漏水が止まらないそうで当方に相談がありました

よく見るとひび割れの下から発泡ウレタンを擦り込んでいるようなのです

そもそもウレタンは濡れた下地には接着はしませんし水に反応して発砲するタイプのウレタンは密封した隙間に充填するとその発泡の力で一時的には止水ができるというものです

しかもウレタンは水に反応して発泡しても数日も経つと縮んでしまうのです

トンネル工事などの場合は一時的にでも取敢えず止水をして、その間に他の方法で防水するという使い方が正しいのです

ひび割れの上に擦り込んでも何の意味もありません

このウレタンを撤去してから再度急結セメントで止水をして更に表面にエポキシ系モルタルを塗布して完了としています

それにしてもこの地下室はまるでサウナのようでシャワーを浴びた様に服が全て濡れてしまいました・・・そうです汗のみで

汗が出るという事は新陳代謝が盛んで体には良いという話もありますからそれならありがたい話ですが

外の炎天下の道路の方がまだマシだとは思ってもいなかったのです

この学校のクラブ活動の生徒たちの躾の良さに嬉しくなりました

すれ違う生徒たちは「あっ・・・ご苦労様です」と言う挨拶をしてくれます

私が高校生の時には学校に来ていた業者に挨拶なんて考えた事もなかったのに・・・

もう一度高校生に戻るような奇跡が起こったらそれこそ誰にでも挨拶させてもらいます・・よ

 

護岸工事のひび割れ補修が終わった

護岸に発生したひび割れ

ひび割れの上にフロッグを取り付けて樹脂を注入

注入完了

フロッグと仮止めシールの撤去は素手

注入完了です

この護岸のコンクリートは既に50年以上も経過しています

流石に場所によっては表面が中性化して触ると砂地のような小さな小石が剥がれてきます

そのためにひび割れ幅は比較的大きいのですが内部は狭くなっているのか殆どの個所はエポキシ樹脂の超低粘度型と低粘度型しか入りません

ところどころにはひび割れ幅が2㎜の所もありますがこんな個所については中粘度型と高粘度型のエポキシ樹脂がどんどん入っていきます

この大きなひび割れは、推察ですが地震か何かの大きな動きでこのような大きなひび割れが発生したのではと思います

すぐ近くに打ち継ぎ目地があるのにこんな風に割れるのはコンクリートの収縮が原因ではありません

貫通しているひび割れについては片側にはフロッグのノズルを外して取り付けをしていて空気抜きをしています

その反対側のフロッグから注入した樹脂が裏側のフロッグに出てきたら注入は完了としています

このコンクリートの引張強度は推定ですが30~40㎏/㎠程度だと推察します

注入したエポキシ樹脂の引張強度は70~90㎏/㎠ですから注入したひび割れからは再び割れることはありません

割れるのならその付近となります

今回に注入した護岸の長さは延々とあり歩くだけでも汗が出ますが壁面が高くはないので仕事としてはいい仕事でした

この川は魚たちにとっては栄養豊富なのか仕事中でも盛んに飛び上がっています

飛ぶのはボラなのかそしてスズキも多くいそうです

魚たちは「お仕事・お仕事侍さんご苦労さん」と言っているのかと・・・

近くで釣りをしている方に聞くとウナギが釣れるとかでぶっこみ釣りをしていました

注入の仕事よりも釣りの方が楽しいに決まっていますから完了したら夜釣りを試したいと考えています

取り合えず梅雨前に無事に終わったことを感謝しますです

暑い夏は外で仕事とかスポーツをしていた方が避暑になるのは知っていたか?と言ったら・・・頭おかしいのか熱射病で天国だぞ・・・

た、確かにあんたよりも私の方が遥かに天国には近いのは近いけれど・・・

年寄りは傷つきやすいのだ

樹脂の注ぎ足しが不可欠な低圧注入工法

延々と続く護岸のひび割れ補修です

今回は自分で納得できるようにと最初から終わりまで施工したいと現場に入っています

このような擁壁とか護岸の場合のひび割れはひび割れが裏まで貫通している場合が多いのですが、特徴的なのは例えば天端から下のスラブまでのひび割れのその幅は極端に小さくなったり大きくなったりと変化しています

おそらく見えない裏側も見える表側のひび割れ幅とは違っていると思います

ひび割れの幅と樹脂の硬さとは適合性がありますからこのような場合も柔らかいエポキシ樹脂から注入を始め仕上げは硬い適合した樹脂を注入することが原則となります

裏側が例えば道路となっていた場合はこの裏側のひび割れにシールをしてしまうと空気が抜けなくて注入した樹脂が止まってしまいますから必ず開けておくことが原則です

今回はその裏側に樹脂を漏らしたくないという事なのでフロッグのノズルを外してシールをして空気が抜けるようにしています

このような技ができる注入器具が他に無いことなど殆どの方は知らないと思います

今回はフロッグの特徴を色々と生かしながら確実にひび割れの中に樹脂を充填してひび割れの部分の強度を戻したいと思っています

早朝から現場に入り放しで黙々と仕事ができるという事に充実感が久しぶりにあります

明日は休みなのでのんびりとお茶しましょう

 



 

擁壁のひび割れにUカット工法は良くないよ

ひび割れ幅の現調

0.5㎜幅のひび割れ

貫通しているひび割れは地下水もしくは雨水の侵入によつてひび割れの中の石灰を溶かして表に流失してくる

これを遊離石灰と言いますがコンクリートの中の石灰分はアルカリ成分なのでこれが流失してしまうとコンクリートは中性化をしてしまいます

鉄筋コンクリートは中性化すると内部の鉄筋は酸化して錆びてしまいます

錆びて放置していると鉄筋は錆びることによつて膨張しますから中性化した脆弱層のコンクリートはいわゆる爆裂を起こしコンクリートが剥がれてしまいます

我々の仕事はこのひび割れた隙間にコンクリートよりも強い力を持った接着剤を充填することによって雨水の侵入を防ぎひび割れた個所の強度を元通りにします

国交省の共通仕様書では1mm以上のひび割れについては可動の結果でひび割れたとも予想できるから強固な接着剤よりも目地を造り常に動くようにするという目的でUカット工法を勧めています

しかし貫通しているひび割れの裏側が土の中だとすれば表側の表面だけを目地を造ってシールしても雨水とか地下水は裏側の土の中のひび割れの中に入ってきてしまう筈ですがそれでもいいのでしょうか

我々が普段ひび割れの中に樹脂を注入する場合は必ず裏側まで届くような量の樹脂を注入して裏側も塞いでしまいます

せっかく表側をシールしても裏側から水か入ってくれば殆ど意味をなさないし途中まで入ってきた水、湿気などは乾燥してくるとひび割れの中に水蒸気を発生させて強い力で暖かい表側に出ようとします

そんなことを繰り返すからせっかくシールしてもすぐに同じところがひび割れてしまうのです

貫通しているひび割れはたとえ1mm以上のひび割れ幅だったとしてもUカット工法ではなく樹脂を隙間なく注入すべきなのです

但し幅の広いひび割れにはエポキシ樹脂の中粘度型とか高粘度型のタイプを注入しなければ内部で流下してしまうのでそんな硬い樹脂を注入できる低圧注入器具でなければいけません

注射器タイプとか風船タイプでは押し圧がありませんので硬い樹脂は注入ができないのですよね

低圧注入器具もJIS規格を適用してほしいのですが工業規格院では国交省が必要は無いからと言っているので・・・と私に連絡がありましたよね

残念です、結果が見えない仕事だからどうでもいいのかなと思いますね

日本の技術はお隣の韓国にも中国にも追い越されて行くのはこんな小さなことでも完璧にの心が欠けているのかもしれませんね

ハイ・・・・

 

 

 

 

都内の護岸のひび割れ補修

立ち上がりは3m

既に遊離石灰と錆び汁が流れ出している

貫通した3mm幅のひび割れ

久しぶりの更新です

今年は比較的小さな規模の工事が多くて工事そのものは例年よりは少ないような気がします

今回は久しぶりの土木の工事となります

街の真ん中を流れる川はひと昔までは一番汚れた川などと言われていましたが、今は清流とはいかないまでも普通の綺麗な川になっています

現調の時にもこんなに寒い日でもボラが跳ねていましたからさぞかし魚たちも住みやすい川なのでしょう

今回はこの川の護岸のひび割れ補修の現調と見積もりです

川の防潮堤と護岸の間は遊歩道となるような幅があり足場も作業も大変にやりやすい現場だと思います

ぜひ当店で施工をしたいと思います

15年ほど前にこの近くの清掃工場の出入口で国道の下を走るトンネルがあってそのトンネルのひび割れ補修をしたのですが懐かしいですね

現場での質問で何故低圧注入なのかUカット工法はダメなのかと言う質問がありました

今回の護岸の補修の目的は護岸の強度を保持するためですからひび割れた隙間の中にコンクリートよりも強い樹脂を充填して護岸を元通りの強さにして固定するという目的のためです

Uカット工法はひび割れた表面に目地を造ってその溝にシーリング材とか可とう性エポキシ樹脂をシーリングするだけなので躯体の強度の補修はできません・・・と

もしかしたらこのような護岸のひび割れにUカット工法で補修したところがあるのでしょうか

それは護岸とか擁壁には不向きで良くない工法だと思います

この護岸のコンクリート厚さは400㎜で立ち上がりは3Mとか

例えば0,3㎜幅のひび割れが有ったとすればそのひび割れの中に注入する必要最低量は

0.3×400×3M×比重1.2となり432gとなります

低圧注入器具のフロッグは4コ/Mとしますから12コを取りつけます

432g÷12コ=36g

つまりフロッグに36gを入れればほぼひび割れの中には満杯になり裏側へ流れ出るという事になります

フロッグは一回の注入量は18gですから樹脂の継ぎ足しを1回か1.5回すればいいという事になります

現場ですから机上の計算通りではありませんが少なくともそれぐらい以上は樹脂を注入しましょうという事です

4月には施工らしいので楽しみです

春の日差しで川辺で弁当を食べるのもなかなかいいものです

仕事ですからより楽しいのです

 

 

ルーブル美術館のひび割れ

ルーブル美術館のひび割れ

ひび割れ

先日フランス大使館の文化部へメールで伝えました

日本ではひび割れ補修はこんな風に行っています、なにかご協力はできますかとの内容で連絡いたしました
コロナ前に中国の施策でライフラインの整備と言う事で施工方法のフォーラムが行われました
知り合いの方が日本での処理方法という事でフロッグを紹介されました

リモートで参加しましたが中国では低圧樹脂注入工法を知ってはいるが国内では殆ど使われていないという事でした

ヨーロッパではどのような方法でひび割れを補修しているか知りませんが下地に傷を付けないで施工できるという事を知っているのかどうかは解りませんが取り合えず、現状については報告をしました

日本でも樹脂の継ぎ足しができない注入器具とか硬い樹脂は注入できないという製品もありますがそれも含めて現状を報告しています

このブログは低圧樹脂注入工法の正しい方法を啓蒙しているのでルーブル美術館のひび割れにも使われると非常に嬉しいと思います

今年もなんだかんだと「夢は君の羅針盤」の通りに頑張りますですよ