久し振りの更新です
今回は関東の地方都市の図書館の改修工事です
外壁のタイルがひび割れている箇所の改修方法については一般的には次のような方法があります
① ひび割れたタイルも浮いているタイルもすべて剥がして広範囲に躯体を出して躯体にひび割れた個所は低圧注入工法でひび割れた部分を元通りの強度に戻して新たに新しいタイルを貼る
② タイルなどは剥がさないで浮いているタイルは目地に穿孔して(16穴/㎡)その穴からエポキシ樹脂を注入し更にピンを挿入して穿孔した穴を補修する
ひび割れたタイルはそのままにしてそのひび割れた個所に低圧注入でエポキシ樹脂を注入する
ひび割れたタイルは施工前と同じでひび割れはそのままの状態
③ ひび割れたタイルの部分のみタイルを剥がして躯体のひび割れを現しにしてその部分から低圧注入工法等でエポキシ樹脂を注入をします
タイルの浮きについては浮いているタイル一枚一枚に穿孔してアンガーピンニングで固定してエポキシ樹脂を注入しています
今回は③の方法で施工します
この改修方法は建物の外壁補修工事の中では大変に手間と費用が掛かりますが建物の耐久性とか落下事故などについて考えれば大変に理想的な施工方法だと思います
我々はタイルが撤去されて現れた躯体のひび割れにフロッグを取り付け確実に樹脂を注入します
超低粘度型のエポキシ樹脂を注入してフロッグの中の樹脂が少なくなったら更に樹脂を注ぎ足します
仕上げは低粘度型のエポキシ樹脂を注入します
低圧注入工法は樹脂に圧力をかけて微細なひび割れの中に樹脂を充填するわけですが少しでも隙間があれば樹脂はその部分に侵入していきます
シールに少しでも隙間があればエポキシ樹脂はその隙間に入り込み他の個所を汚してしまいます
フロッグを取り付ける時にこの隙間を造らないように確実にシールをしなければいけません
エポキシ樹脂は洩れた時は透明ですが硬化して紫外線が当たると黄色く黄変します
樹脂が洩れて汚れたままにしておくと足場を外して数か月でその部分は黄色く黄変します
その黄変したものは溶剤などでは簡単には拭き取れません
エポキシ樹脂は最強の接着剤ですから簡単には除去できません
バーナーなどで温めないと決して取れることはありません
それを防ぐためにも慎重に隙間のないシール施工が必要なのです
今回は我々の技術を取得したいという若い方たちが施工に参加していますので、教える私も真面目に肝心なところの要領をしっかりと教えています
施工の目的を理解さえできれば施工に慣れるのに時間がかかったとしてもいい仕事ができると思います
今回は完成の写真はありませんが周囲の汚れは全くなく検査にも合格です
今回の仕事ぶりは「ぐっと・じょぶ・・べりべりなぃす・・よかとよ」の監督さんの評価です