低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

タイルのひび割れ注入は

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今週は公的なプール施設の補修工事に掛かっていました

月曜日から昨日まで泊りがけで施工です

プールという特殊な施設なので内部もタイルで仕上げられています

ひび割れ注入工事の中でタイルのひび割れに直接樹脂を注入するという事はなかなか難しい施工となりま

す。

理想から言えばタイルが割れているという事は躯体のコンクリートにひび割れが発生したために起こる現

象なので、割れているタイルを剥がして躯体のひび割れを現わしてから注入するべきなのです。


しかし、タイルの在庫の問題だとか時間と経済的な問題などがあると今回のように割れたタイルの上から

直接注入をしようという事になります。


一般的な常識ですが、躯体にひび割れが入った場合に貼り付けたタイルの接着力がある場合はタイルとも

割れてしまいますがタイルと躯体の接着力が弱いとタイルは浮いてしまいます。


今回の建物の状態では、浮いている所もひび割れている箇所もあり必ずしもタイルの下の躯体が割れてい

るとは限らないようでタイルのみ浮いている箇所もありなかなか手ごわい現場でっす。


タイルのひび割れから樹脂をフロッグで低圧注入すると必ずしも躯体のひび割れの中に樹脂は侵入はしま

せん。


タイルの裏側は接着剤が隙間なくある訳ではないのでひび割れから注入された樹脂は隙間を探して押し入

りますから隙間が大きいタイルの裏側に入んでしまいます。

写真の一番下の写真がそうですが目地から樹脂が沁みています。

この付近のフロッグに更に樹脂を注ぎ足すとこの隙間から樹脂が溢れてきます


この樹脂の漏れが大変なのです


施工時に気が付いたら樹脂を拭き取ればよいのですが、低圧注入工法は小さな力で時間をかけて樹脂を押

し入れますから翌日には大量の樹脂が流れ出して壁面を大きく汚してしまう場合が多々とあります


エポキシ樹脂は硬化したらすぐは透明に近いのですが、紫外線に当たると半年もすると黄色の色に黄変し

てしまうのです。


半年後には苦情となるのです


ひび割れの中に入るだけの樹脂を沢山注入したいのですが、汚れを心配すると多くは注入できません


目的の躯体のコンクリートのひび割れの中に確実に注入したのかは非常に不確実になるのです

躯体のコンクリートのひび割れを現わしておけばそれこそ確実に強度を元通りにできるのにと思います


但し、この注入によってひび割れからの雨水の侵入等には確実に対応はできてはいるのですが・・


施工する我々は限られた施工条件の範囲の中でベターではなくベストを目指して施工するしかないのです

よね・・・・。



タイルのひび割れから低圧注入する場合の技は


最初の注入は超低粘度型の樹脂をフロッグのMAXラインの半分の位置で約10CC程度にしておいて30分ほど

時間をおいてその時の樹脂の漏れを確認します


樹脂が漏れていたらその時点でその付近のフロッグには追加注入はしないという事です

タイルのひび割れが躯体のひび割れに直接繋がっていれば目地から漏れてくるようなことはありませんの

で。漏れていなければ本格的な注入をします。



来週からは外部のひび割れと浮きの補修に入ります



仕事にはいつも感謝の気持ちを忘れずに・・と・・親方は反省しテコは給与に感謝ってかぁ・・・。