低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入の樹脂の広がり

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今週は擁壁と週末はマンションのひび割れ補修工事です

写真の上はフロッグでモルタルなどの浮いた隙間に樹脂を注入する時の樹脂の広がりの様子を画題で再現

しています。


その下の写真はひび割れの中に樹脂が入っていく時の樹脂の広がりの様子です。


断面を見るというような再現方法です。


このような樹脂の広がりは同業他社のどのような低圧注入器具であっても基本的には同じなのです


現場の写真は擁壁のひび割れ注入施工の様子なのですが、この擁壁はコンクリートの表面にモルタルを施

しています。

仮止めシールのヘラ押さえが下手のように見えますが、このひび割れ幅は1㎜程もあったためにエポキシ

系のパテをひび割れの中に摺りこんでいるためなのです。


何度も樹脂を注入していますが液漏れはないでしょう・・。


この擁壁の場合は打診によってモルタルが浮いている箇所は事前にハツリ取っていますが、打診音でも解

らないひび割れの傍の僅かな浮きの場合は低圧注入で対応します


モルタルが浮いていて更に躯体にひび割れがある場合は低圧注入工法はその能力を充分に発揮できます


今回の施工では躯体のひび割れのほうがモルタルの浮きの隙間よりも大きいために最初はひび割れの中か

ら樹脂は進入していきますが、浮き部分の隙間がひび割れ幅よりも大きい場合は表面の浮き部分から先に

進入していきます。


フロッグの場合は、樹脂は圧搾空気の圧力で押されて中に進入していく訳ですから圧力が少なくて済む隙

間の大きいほうから進入していくというのは基本的な事なのです。


超低粘度型の樹脂から順番に、低粘度型そして中粘度更には高粘度型と推定量の倍ほど注入していきま

す。

ひび割れの中が樹脂で満杯になってくるとフロッグの中の樹脂の動きが遅くなってきます

更にはポンプの引き金も堅くなってきます

ひび割れの中が樹脂で満杯になってきた時に更に樹脂を注ぎ足すと強く押す力を必要としますが、そのま

ま注ぎ足すことによって表面のモルタルの僅かな浮きにも樹脂の進入が期待できるのです。


樹脂を注ぎ足すと言う事を繰り返す時に微妙な樹脂の動きの違いを知る事ができます。

その変化等によってひび割れの中の様子を推察できます


私は職人さんにひび割れの中の様子はフロッグに聞けと言っています


樹脂を注ぎ足していく時の樹脂の動きで様子が良くわかります


注入をしていて三度目の硬い樹脂を注入の時にいきなり樹脂がフロッグの中から無くなる場合があります

このような時はひび割れの途中に巣穴があるのではと推察ができます


そんな時は何度も何度も樹脂を注ぎ足していきます。


確かに手間は掛かりますが、ひび割れの中に樹脂を充填する事が我々の仕事なのですから気が済むまで注

入しましょう。


一度器具を取り付けたらそれで終わりでは確実な注入はできないと思うのです


樹脂を簡単に追加注入できないような低圧注入器具は本物ではないと言う理屈がわかるでしょう



低圧注入工法の工事を生業としているなら、注入しているひび割れの中の様子ぐらいは理解して欲しいも

のなのです。