とても古い都内の公的建物の耐震補強工事です
コンクリートの躯体の上にモルタルで仕上げてあります
ひび割れた箇所付近はモルタルの浮きはありませんが、かなりな所がモルタルの浮きです。
浮いている箇所はピンニング工法でエポキシ樹脂を注入しますが、施工者側からすればこのような古い建
物のモルタルの浮きについては一度モルタルを剥がして再施工がベストなのですが、仕様ではエポキシ樹
脂で固定となっています。
そこで、ピンニング工法であつてもせめてピンは注入口付きアンカーピンにして欲しいと変更してもらっ
ています。
モルタルと躯体に穴を開けて注入し、そして全ネジピンを挿入するだけでは本当に大丈夫・・・?
切り粉が接着に影響していませんか、注入する圧力でモルタルは共浮きはしないのですか等々・・。
注入口アンカーピンなら注入する前にアンカーで固定しますから、たとえ注入忘れがあったとしてもその
部分は約160㎏の引き抜き強度はあります。
落下については殆ど安心できます。
最近はタイルの浮きについてもこのような工法が少しずつですが普及しているようです
重大事故防止の仕事なのですから、確実な施工方法は当たり前だと思うのですが・・なかなか理屈通りに
はいかないのです・・・・。
ひび割れ補修の低圧注入工法だって問題だらけなのですから・・・。
最初は超低粘度型の樹脂を注入して、そして必ずひび割れ幅に適合した硬さの樹脂を追加注入し足らなけ
れば更に樹脂を注ぎ足す。
超低粘度型の樹脂はプライマーの代わりともなるし、注ぎ足した硬めの樹脂の滑りをも良くします
更にはひび割れの幅は決して一定ではありませんので微細なひび割れ箇所にも進入ができます。
そして樹脂は周りから絶対に漏さない・・・等々
確実にひび割れの中に樹脂を充填しその確認をしてから終了とするのですよ。
対価に値する仕事とは・・ひび割れの中に確実に樹脂を充填していると言う事なのです・・。