写真の画題は、コンクリートに発生するひび割れた状況をガラスと合板を合わせて再現したものです
ガラスと合板を合わせてその隙間を0.3㎜程度にしてその断面からフロッグで樹脂を注入すると、樹脂は
どのような早さで、そしてどのような形で樹脂は広がって行くか等を再現させるものなのです。
硬い樹脂の場合と柔らかい樹脂の場合の違いとか、そして樹脂の流下とか・・。
やって見せれば直ちにその状況が理解できるというシロモノなのです。
そうなのです、フロッグの説明会には不可欠な画題なのです。
いくら私が口頭で、低圧で注入した場合には必ず樹脂は扇型に広がりますよとか、決して樹脂は真っ直ぐ
に走る訳ではありませんとか、ひび割れ幅に適合しない柔らかい樹脂の場合は時間と共に流下したり、逆
に樹脂が硬い場合は樹脂は隙間の中に入らなかったりするのですよ・・・。
と言ってもなかなか理解してもらえないのですが、この画題で実際に樹脂を注入すると直ぐにわかって貰
えます。
ひび割れの幅の隙間はガラスと合板の間に釣り糸のハリスの3号とか2号を挟み込むのです。
良く考えているでしょう・・・趣味が釣りですから糸の太さには拘っています。
そして中の升目は50㎜となっています。
住宅の基礎の場合は200㎜程度だから4つ目の升目までいくと表側に溢れるとか、マンションの壁面の場合
は150㎜ですから升目3つ目で内部に流れ出すとか・・・・色々と再現出来るのです。
他の低圧注入器具のメーカーではこんなものは造ってはないと思うのですが、いったいどうしているので
しょうか。
この画題は自社の器具の性能が良く解ります。
低圧注入器具によつては中粘度型とか高粘度型の硬い樹脂で試すと、注入はできない器具もあります
現場ではいったいどうしているのでしょう。
器具の性能にあったひび割れ幅しか施工していないのでしょうか・・・・
それでもいいのですか・・?
『良いのです・・ひび割れは鉄筋コンクリートの宿命だし・・どうッてことないさ、第一にひび割れて
から既に20年以上になっていてもなんとも無いものね・・・ウン』
ひび割れ補修の低圧注入工法を生業としている我々はヒジョウに悲しいっす・・。
過去になんでもなかったので必要が無いという理屈なら、古い学校の耐震補強工事もいらないのでは・・
缶コーヒー等の自動販売機は店で買えるから必要ないよ・・・と言う理屈にも通じるところがあります
その機械を全く必要としないのなら、その自動販売機に関わる全ての技術も経済も雇用も更にはその利便
性の文化も全く進みません。
科学の進歩というものは、普段の生活をする上には殆ど無駄だと思えることから始まるものだという事だ
と思うのです。
普段の生活に月に行くロケットの技術が必要だとは思えませんよね・・・。
話は変わりますが常識的には無駄だと思われている事が実は必要だったというような事が沢山あります
例えば大手スーパーの場合に良く見られますが、先月まで有った売り場の商品が突然になくなってしまう
ような事。
『どうしてスホーツ商品売り場がなくなったの』
『ええ、売れ行きが悪いので廃止したのです』
売れる商品しか置かないという事ならば、確かに売れていく商品の回転は良くなっていくでしょうが、品
種が少なくなるといずれは何でも揃っているいわゆるスーバーではなく品数の少ない専門店になってしま
うのではないかと思うのです。
そうなってしまうと当然の事ながらお客さんも激減してしまい最後は何が売れる商品かが解らなくなると
思うのです。
地方のデパートが殆ど閉鎖してしまうのはこのような現象が顕著だったからだと思うのです。
なんでも揃うホームセンターの方が楽しいものね・・・。