低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

改修工事の限界

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台風が去ってからすぐに取り掛かったひび割れと浮き補修の改修工事ですが、施工する側から見ればもっ

と丁寧にと思うのですが、発注する側からすれば予算とその改修のレベルに限界がありますから致し方の

ない所ですが・・・・


建物は夏休み中の私立大学の建物です


建物はRC造で、外壁は今は少なくなった全面にモルタルが20~30㎜厚で補修されています。

過去に少なくとも3回ぐらいは改修工事を行ったのか仕上げ材は3層も重なっています。


不思議なのですが表面が膨れている箇所にはリシンなのでしょうか粉状のものが詰まっています


何故このようになったのかは解りませんが、いずれにしてもこのような箇所は剥ぎ取るしか方法はありま

せん。


仕様書を見るとひび割れは可とう性エポキシ樹脂でシール工法とか・・・ひび割れの上から単にシールし

てヘラで押さえるだけ・・?

浮き部の処理は注入口付アンカーピンでエポキシ樹脂を注入となっています


確かにひびわれの上にシールするだけなら簡単ですから安くはなると思いますが、貫通しているひび割れ

の場合はひび割れを隠すだけとなります。

貫通しているひび割れの中は雨が降って翌日が晴天となった時は空気と水が一緒になり水蒸気となり表の

暖かい方へ押し出ようとします。


今までの経験からは短期間でひび割れは再発します


素人の方が自分の家のひび割れの上にシーリング材でシールをしているのと同じ方法なのです


この方法でひび割れの問題点が解決できるのなら他のUカット工法とか低圧注入工法は必要がありません


残念ですが国交省の仕様書にも一つの方法としても記載されているのです


反対ですが請けた以上はやるしかありません・・・当然ですが意見具申をして変更を願ったのですが



浮きの場合は塗材の下が劣化して粉状で柔らかいために注入口付アンカーピンが良いと思います


理想的にはモルタル面まですべて剥がして欲しいのですが・・・


注入口付アンカーピンは物理的に躯体とモルタルを固定して更にその周りをエポキシ樹脂で化学的に固め

ようという方法です。


写真はその過程を並べています


注入口付アンカーピンの施工は面倒で手間が掛かりますから職人さんには人気がありません

仕事ですから泣き言は無しですが、このアンカーピンを今回は3000本も打ち込んだのですよ


暑くてヘルメットの中にタオルを巻かないと頭からそれこそ滝のように汗が目に入りますです。はい


髪の毛が少なくなるとダイレクトに汗は流れ出すのです、はい



話は変わりますが低圧注入工法マニュアル本ができました

今回は印刷屋さんで製本等をお願いしたせいか出来上がりにはもう一つですが、取りあえず出来上がりま

した。

本書はフロッグの施工マニュアルの本ではありません


問題山積のとあるように低圧注入工法の問題点と、未だに知名度の低いこの工法の普及を願っての啓蒙と

考えて書いています。


注射器タイプのメーカーさんから見れば内容が偏っていると思われるかも知れません


もしも偏っていたとしたら、こんな意見もあるのだとご容赦下さいませ・・・。