低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ビルディングドクターって大丈夫?

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今回はビルディングドクターと言う資格について報告します

この資格は勘違いをしている方もあるかも知れませんが、決して公的な制度による資格ではありません

民間の社団法人としての独自の資格制度です


そもそもこの資格は神戸の震災の後に当時の建設省が、今後の耐震補強工事が増えると想定して、その際

に古い建物の耐震診断を的確に指示できる人を育成しようと言う事で建築士会に相談したことから始った

と聞いています。


その資格試験の時にその時の試験官の説明ではいずれは国家資格に移行するのでは・・・なんて言ってい

たのですが


結局はいまだに主催者は建築会社の社団法人で、その話は嘘だったと言う事になりました。


私もこの資格制度が発足してから2年目に受験をしましたが、その試験の内容にはとても失望したのを覚

えています。


受験している人は建設関係全般に携わっている方ですが、試験の内容は原稿用紙2枚に自分の知っている

ことを書くだけで合格となっていました。

他に講義がありますが、これはこの資格の合否には関係はありません

また、この講義の内容については建物の改修工事における具体的なその方法などの教えはほとんどなかっ

たと記憶しています。 


試験官は言います・・・・とにかく原稿用紙2枚いっぱいに文字を書けば合格ですから一枚では不合格に

なりますよ・・とか


建築の基礎の設問とか耐震についての決まり事の設問とかの専門的な知識はなんにも無いのです

つまり受験料90,000円を払えば殆どの方は合格するのです

しかも5年ごとに更新料20,000円が請求されます


なんなのでしょう・・この資格は・・・。


但し、私が受験したのは既に十数年前になりますから今の試験方法は多少は変わってきているのかもしれ

ませんが・・。



民間の資格なので受けなければ良い訳で、そうそう非難することもないのですが


たまにですが、公的な建物でこの資格を必要としている実態を知らない自治体があるのです


この社団法人がそのような地方自治体に売り込んだのでしょうか、建物の診断に必要としているのです


耐震補強とか大規模改修工事には具体的な技術が必要となります


例えばモルタル、タイルの浮きを打診音で探しその音で浮幅は推定で何ミリほどあるのかとか、この部分

の欠損は絶対に危険だとか、更にはひび割れが躯体を貫通しているのか否かなどその知識は勉強しなけれ

ば普段は現場の監督だけでは決して理解できるものではありません。


例えば中央高速道路の笹子トンネルの崩落事故の時にもそうでしたが、浮き部分を点検するのに先の尖っ

た鉄道で金属を点検するような小さなハンマーで打診音を探していましたが、我々からすればそんなハン

マーで詳しく解るはずがないと絶対に使用しません


先端が丸い小さな金属の玉が付いた専用の打診棒を使用します

浮きの打診音は叩くものが大きければ大きいほどその打診音は不明確になります


マンションのタイルの浮きは微細な浮き幅ですが、このようなハンマーで叩いている人など見たこともあ

りません。

専用の打診棒を使うのは常識なのですが、このような事すら勉強しないで何がドクターなのでしょう


このように具体的な試験問題が無くてどうしてこの資格が建物の診断に利用できるのでしょう


シュミットハンマーの使い方など知っているのでしょうか



国家資格で樹脂注入技能士という資格があります


この資格は打診音の実技試験とかひび割れの注入についても実技、筆記試験とも必要とします

建物の診断などはこの資格の方が遙かに有用だと思います


例えば下水道事業団ではこの国家資格を必要としています


このビルディングドクターを特記仕様としいてる公的な団体は一体どれほどあるのでしょうか。


この団体も建設会社とか設計事務所天下り先として利用しているのではないかと憤りを覚えます


さて、写真は公的な建物の改修工事です

初めてですが、今回は地元の職人さんに応援を依頼しています


最初の日だけは私のやり方を勉強してもらうために一緒に施工をしています


その方も当然ですが技能士の資格は持っています



仕事は目的意識をもつて真面目に・・・ね。