低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

軍艦島の補修に低圧注入工法は

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先日長崎の知人と話をしている時に端島(軍艦島)の補修工事について、地元の新聞に補強には鉄より強い

なんだか知らないけど強固な素材のものを使うと書いていたよ・・・・。


その鉄より強い素材って・・?


色々聞いてみると多分炭素繊維の事ではないかと思います

良くメディアなどではこのような表現をしますからおそらく炭素繊維を貼るという事だと思います


決して鉄より強いという事は無いと思いますがその構造物の補強の仕方によっては確かに鉄よりも強くな

るというようなこともない事は無いと思います。


かっては高速道路とか鉄道の高架の柱部分に鉄板をぐるりと巻いて、その躯体と鉄板の周りの隙間にエポ

キシ樹脂を隙間なく充填して柱を補強していましたが、今はその炭素繊維をエポキシ樹脂等で柱に貼り付

けているようです。


確かにこのような周りを包み込めるような構造物にとっては炭素繊維でも鉄板に匹敵しているのだと思い

ます


鉄よりも強いという表現には素人の私でも・・そうかなぁーと思います


東京メトロの地下鉄の床の補強の時に経験しましたが、ひび割れは我々の低圧注入工法で埋めてそして

炭素繊維を敷いて仕上げにはモルタルとタイルで貼りつけたという事がありました。


その時に私も炭素繊維のシートを鋏みで切ってみたのですが布よりも少し硬い程度だったと記憶していま

す。


鉄板が素手の鋏で切れるかぁ・・・・・


決してその素材そのものは鉄より強い訳ではないと思います


例えばこんにゃくを新聞紙で包むと硬くなってふにゃふにゃとはしなくなり強くなりますが炭素繊維の場

合にもこのような使い方ならかなりの力で補強できるのではないかと思います


でも、例えば住宅の布基礎部分にこの炭素繊維を床下面だけを貼っただけで果たして思惑通りの強さにな

るのかと言えば私はそうは思えません。


布基礎の場合も土台の下から裏表までもそっくり、ぐるりと包まない限り補強は出来ないのではと思いま

す。


私は炭素繊維については素人ですからひょっとすれば他になにか鉄より強いという根拠があるのかもしれ

ませんが・・・・・・・




さて、話は戻りますがこの軍艦島の建物は一体どのようにして補強を考えているのでしょうか


既にコンクリートは耐久期間を過ぎて強度も殆どなくなっているようですが、その炭素繊維を使うとして

ももともとの最低限の強度が無ければ使えないでしょうし、ましてや外観が全く変わってしまっては世界

遺産としての価値が残るのか・・・・なんとも厄介な補修となるようです



我々のひび割れ補修の低圧注入工法は使えるのでしょうか

構造物をそっくり炭素繊維で包むのであれば、その下地処理としてひび割れは低圧注入工法でしっかりと

接着させることが不可欠なのですが・・・・


観光客が入るところだけは外観が多少犠牲となっても確実に補強をして、そして残したい外観は内部のみ

補強をして遠くから見るだけにしたらと思います。



どちらにしても私の遠くなった故郷なので良い方法で早い時期に立派に出来上がると事を願っています