低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

仮止めシール材が簡単に取れれば幸せ

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写真は剥離性シール材の撤去状況です
剥離する時に後で掃除するのが面倒なので細かく切れないように取り外しています。

この仮止め剥離シール材は2成分型のウレタン系です。
下地はモルタル仕上げの上にアクリル系の塗料が塗布されています。

築後1年未満の建物なので塗装もしっかりしています。
仮止めシールに引張られる事も無く剥がれていません。

ウレタン系の剥離シール材は温度によってその剥離性能が大きく違ってきます。
この写真の場合は室内ですから硬化までの間は一定の温度の中で硬化しています。
一定の比較的低い温度で硬化するとゴム弾性を発揮して強い力で引張ってもなかなか破断はしません

硬化途中で急激に外気温度が上がるとこのウレタン系のものは硬化してから極端に脆くなってしまい
ます。
撤去する時にはすぐに切れてしまってとても手間が掛かります。

この仕事は同じ事をしているのに簡単に剥がれて短時間で終わる場合と、なかなか剥がれなくてその
数倍も時間が掛かる時があります。

剥離性シール材メーカーの研究が遅れています。
研究、開発にお金を掛けてもあまり儲からないからでしょうね。

例えばシーリング材の場合はその市場の総額は1000億円/年、程度と言われていますが、我々の注入材
については一体幾らぐらいなのでしょうね。
シーリング材については工業会があって各メーカーの生産量が出ていますから大まかに計算すれば金額
が出てくるのですが、注入についてのそのような工業会はありませんのでなかなか金額までは掴めない
のです。

似たような団体は低圧協議会というものがありますがこの会は私的な集まりのようで低圧器具を造っ
ている会社が全員参加している訳ではありません。

本来はこのような団体が低圧注入工法の問題点などの啓蒙活動をすべきなのでしょうがなかなか難し
いのではないかと思います。

この協議会は低圧注入器具を造っている会社が集まっているのですが。その器具はそれぞれの会社が
独自に考えて造っている訳で機能について規格が統一されているものではありません。
注入に対する基本的な考え方も違っていますから、例えば不確実な工法というような風評に対しても
統一した見解が出ないのではと思うのです。

例えば、私は樹脂の注ぎ足し機能が無い器具は駄目ですよと言ってもそのような器具を造っている会
社はとんでもないと怒るでしょうし。

例えばカメラメーカーの場合は各社の機能は色々と違っていますがその機能によって出来上がる写真
違ってきます。
ユーザーは当然のことと納得します。

低圧注入の場合は結果の期待は皆同じなのです。
注ぎ足し機能があろうか無かろうが結果はひび割れの中に確実に樹脂を充填しなければいけません。

何故、樹脂が入らないと言う風評が出てくるのかと言うと過去にそのような入らなかったことが多く
あったからだと思います。
ひび割れの中に樹脂が入らなかった原因は色々とあり全て器具のせいではないのですが少なくとも
ひび割れ幅に適合しない硬さの樹脂を使用したら絶対に入っていかないことは基本的な事です。

ひび割れ幅は一定していませんから必ず柔らかい樹脂から硬い樹脂へと順番に入れていくべきなの
です。
柔らかい樹脂は小さなひび割れ幅に、大きなひび割れ幅には硬い樹脂という基本を統一しなければ
結果は同じにはなりません。
この基本を守ろうと言うのが器具の注ぎ足し機能になってくるのです。