写真は現在国内で使用されている剥離性のシール材です。
3タイプのものがあります。
判りやすく分類してみましょう。
1.カートリッジタイプ 1成分型(ポリウレタン系)
特徴ー使いやすいが剥がれない下地が多い。冬場になると磁器タイルのように空気、湿気を通さ
ない下地の場合は硬化するのに1週間も掛かる場合がある。
このタイプは空気中の酸素、湿気に反応して硬化(ゴム状化)しますから、注入器具のプラ
スチック台座とひび割れたタイルに挟まれているシール部分は密封状態になってなかなか
硬化しない
2.カートリッジタイプ 1成分型(変性シリコーン)
特徴ー1と同じです。
3.カートリッジタイプ 1成分型(合成ゴム系)
特徴ー現在は殆ど使われていません。
プラスチツクに対しての接着が悪い為に低圧器具の取り付けには使用できない。
20年前頃にはこのタイプのものが主流でしたが硬化が遅い、台座の接着ができない、致命
的な事にゴムになった時の強度がなく剥がす時にすぐに切れてしまい取りにくいという弱
点があります
4.チューブタイプ 2成分型(エポキシ系)
特徴ー硬化は20分程度ですぐに次の工程に入れる
欠点は剥がれない為にサンダー等で削らなければ撤去できない
この商品は土木関係の工事店で使われる事が多いようです
コンクリート粗面が多いためでしょうね。
5.混合タイプ 2成分型(ポリウレタン系)
特徴ー剥離性に優れる。硬化時間を調整できる、安価である。
硬化促進剤を付けていますからその時間を自由に調整ができます。
攪拌するのにドリルが必要なので面倒。
こんな専門的なことをこのブログで書いて意味があるのかどうか分かりませんが、ひょっとして専門の方が訪問するかもしれませんので書いておきます。
注入時に使用する仮止めシール材はこれだけ種類があるよということです。
注入工事専門店のベテランの方達が好むのは5番の商品ですね。
現場で硬化剤を攪拌して使うのは面倒ですが硬化時間の調整が自分でできる事と剥離性に優れている事
と何よりも安価と言う事でしょうね。
年に数回しか施工しない方は材料が少々高くともあまり気にはならないでしょうが、毎日の仕事として使う職人にとってはこの価格差は大変な負担になります。
でも残念ですがこの商品は今年の6月でメーカーは生産を止めてしまいました。
専門の職人が非常に少ないこともあり採算に合わなかったのでしょうね。
身勝手なメーカーと怒っても赤字でも造れとは言えませんから、仕方の無い事です。
この業種はいかに専門家が少ないかと言うことでしょうね。
優れたいい商品でも使いこなせないのですから需要が少なくなってしまうのは仕様がない事です。
土木、建築の業界の中でひび割れの注入工事というものはそんなにどうでもいい工事なのかと憤慨したくなりますが、もともとそれに占める発注金額が少ないと言う事と現場監督などの責任者の勉強不足が主な原因なんでしょう。
専門としてやりたくても仕事量が少ないと食えないし、兼業であっても結果がすぐにはわからない仕事だし、かなりいい加減な工事でも通りますからね。
そう、地震がきたらすべて解らなくなりますもんね。
あまり悲観的なことばかり言うのは止めましょう。
一昔前に較べると一連の欠陥マンシヨン事件以来ひび割れについては問題視されるようにはなったのですから。
ひび割れについて不思議に思うのは、新築の建物の場合は瑕疵補償ではないかと、建物の構造にそんなに影響しないひび割れについてまでも追求するのに、古い建物の改修工事の時には建物の構造に影響があるひび割れさえ注入はしないのはどうしてでしょうか。
古い建物は地震で倒壊しても、雨漏れしてもいくらでも言い訳ができるからなのでしょうか。
古い建物の改修工事は施主と施工業者の間に設計事務所のような第三者が入らないせいなのでしょうか。
古い建物ほどひび割れについては中性化などの不安要素は沢山あるはずですが。
施主がひび割れの補修は低圧注入でと指示をすれば、改修業者は今までパテを刷り込んで終わりだったのに低圧注入をしなければとなりますから非常に良いのですが。
そこまでしなければとなると、改修業者は専門家ではないのと言いたくなりますね。
世の中理屈では合わない事ばかりなのでそんな場合は仕方の無い事とあっさり諦めた方が良いのかな。
なんせ、納めた年金を全国の市町村、社会保険事務所の職員達が横領していたのだから。
自分さえ良ければ先の事など構ってられるかい・・・・ってかぁ。
悲しいね。
情けないね。
自販機でお釣りが余分に出てきた時におどおどして悪いからと余分にもう一本買って、なんとなく納得 する僕は、なんと小市民的根性なのかと泣きたくなるよ・・・。