低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

昔の事を懐かしく思い出すのは疲れているせいかなぁ

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写真は築後4年目のマンションです。
引き渡して1年目に天井にひび割れが発生し注入して補修したのですが、今年になって再び同じ位置にひび割れが発生。

クロスを剥がしてみると前回のひび割れ補修した箇所に平行して新しくひび割れが発生している。
どういうことなのでしょう。

一年目のひび割れの場合の原因は若年コンクリートに見られるいわゆる乾燥による収縮という事でしたが
その補修後3年目にさらに殆ど同じ位置にひび割れ発生。

長年に亘ってコンクリートのひび割れと付き合っていると、その原因究明について思うのは医学と似たところがあってそれぞれの症例の臨床による考察が必要だと思いますね。

今回のような症例は少ないのですが全く無いわけではありません。
土木の場合には例えば首都高の橋桁なんかはよくこんな例があります。

首都高の橋桁のひび割れ発生の原因は橋桁に掛かる振動などの動きですが、その力は殆ど同じ位置に集中してかかります

最初にひび割れた箇所に低圧注入で強力な接着剤(エポキシ樹脂)を充填してその部分を固定しますから振動によるひずみが同じ部分に発生すると、そのすぐ傍にその力が集中します。
そのような訳でこんな場合は前回のひび割れた近くに平行して再発してしまいます。

腕などを骨折して治ったらその部分は筋肉で補強されるから二度目はなかなか折れないなどと言いますが理屈はそれと同じですね。

僕は骨折は経験がないのですがこの話は本当なのでしょうか。
子供の頃に教えられた事ですが。

マンションの天井の場合は二度のひび割れではまだその原因はわかりません。

今回注入補修をして更に2年後ぐらい経過して再々度ひび割れたらその場合は建物自体の動きが原因と考えても間違いではないと思います。

コンクリートの乾燥収縮は立地条件にもよりますが一般的には5年も経過すれば殆どなくなってしまうと
考えられています。

10年経っても押入れの中が湿気があるなどとの苦情を聞く場合がありますが、殆どの場合は温度差による結露が原因ですね。

今回の建物の場合は国道の傍で角部屋ということも考慮すると建物の動きが天井に影響しているのではないかとも考えられます。
どちらにしても今は原因を決めることはできません。


 話は変わります。

12年前に自転車で旅行した時に民宿で食中毒になったことがあります。
丁度世の中はO-157の食中毒がはやっていた頃で大変な目にあったことがあります。

夕食に出された刺身のハマチがその原因ではないかと今でも僕は思っていますが。
一緒に行った友人は青い魚が嫌いなのでそのハマチは食べなかったのです。

入院した時に民宿の人は全員同じ食事なのに一人だけというのは他に原因があるのではと医者に言っていました。
そうではないぞ。
刺身は殆ど友人は食べなかったし、それに僕達はその日は遅く宿に入りましたから他の宿泊客とは2時間も遅れて食事をしています。

でも絶対に反論しなかったのは、もう死ぬのかと思うくらいにお腹が痛いしそんな事は面倒で嫌。

次の日の朝に民宿のおばぁちゃんが見舞いに来て、いきなり泣きながら、数年前に自分の宿から食中毒を出して、そのシーズンは島全体の宿にキャンセルが出て、ご主人がその責任を感じて自殺したと話しがありました。

それで解りました。
救急車はサイレンを鳴らさないし、心電図を取る時の医師はカルテに僕の病名はスズメバチに刺されて入院となっているが何処を刺されたのと聞くし。

お盆の最中の日だし、島は観光が主な産業だから皆で協力しあうのは当然ですね。

でも入院の経験が殆どない僕の生涯の夢がこの島の病院で叶ったのです。

病院の廊下を腕に点滴の針を付けたまま、更に点滴のスタンドを押しながら平気で歩いていく寝間着姿の患者さんは子供の頃から僕の憧れの人だったのです。

注射針は一回でも痛いのに長い間腕に突き刺したままで、それに歩くとは子供の僕にはとても神様の存在だったのです。

看護婦さんに点滴が終わったら心電図をとりに行きなさいといわれたときにお願いをしたのです。
 『点滴をしながら行ってもいいですか』
 『ではスタンドから離す時は手伝いますよ』
 『いえ、スタンドを押しながら診察を待っている人達の前を通りたいのです』
 『どうして?』
 『そうしたいのです。夢だったのです』
 『変わった人やねぇ』
 『・・・・・』
   
 夏になると思い出します。ほんの昨日のようです。
 
 懐かしいのです。