低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

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コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れ補修の低圧注入工法は信頼を取り戻せるか 2

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注入口があり注ぎ足し機能を持っている器具の場合は、最初の超低粘度の樹脂を入れる時に樹脂の動きを観察しながら、そして圧力を調整しながらの注入ができます。
その時にひび割れの中に樹脂が入っていくスピードなどを観察してひび割れの中の状態を推察します。

注入した途端に樹脂がひび割れの中に抵抗無く入っていく場合は、ひび割れは裏側まで貫通していると言う事が解ります。
そして、このひび割れの中はかなり広いと言う事も解ります。

注入しても樹脂が全く動かない場合は次の事が推察されます。
1.ひび割れが裏側に貫通していない場合
2.器具の取り付け位置がひび割れた箇所から外れている場合(施工ミス)
3.ひび割れの幅に対して樹脂が硬すぎる場合
4.エフロ、カビでひび割れの中が詰まって入る場合
5.内部に水がある場合

注入した時に僅かに器具ののなかの樹脂が動いている場合はひび割れ幅と樹脂の硬さが適合している場合です。
この場合は1時間ほどしたら器具のなかの樹脂はなくなってしまいますから無くなったら更に注ぎ足し注入を行います。

このように器具の中の樹脂の動きでそれぞれのひび割れの中を想像しながら確実に注入をしていきます。

こんな簡単な事はプロであれば教えられなくても解るはずですが。
ひび割れの中に樹脂を充填する事が目的なのですから事は簡単な筈です。

仮止めシールをして注入しているのに、器具の廻りから樹脂が沢山漏れ出しているのはひび割れの中がいっぱいになったから溢れたと言う理屈が通るわけはありません。
ひび割れの裏側には殆どシールをしませんから漏れるなら裏側になるはずです。

それは器具の取り付けが下手で圧力が漏れているのです。もしくはひび割れの上に確実にシールがしていないのです。

樹脂には圧力が掛かっていますから漏れると言う事はその部分が通りやすいから漏れてくるわけでひび割れの幅よりもその隙間が大きいと言う事なのです。
だからこんな場合は樹脂はひび割れの中には殆ど入っていません。

もう少し解りやすく例えれば空気を入れて膨らせた風船に大きな穴と小さな穴を同時に空けると空気は大きい方から抜けていきます。
これと一緒ですね。

輪ゴムタイプの器具の場合は輪ゴムを引っ掛けてその戻る力で圧力を掛けるのですから微妙な圧力の調整ができません。
いきなりゴムの縮む力で押し入れようとしますから器具の取り付け部分に力が掛かりすぎて漏れ出す事が多いのです。
一度きりのそして一種類の樹脂を入れる場合が殆どですから尚更です。

0.05㎜とか0.4㎜とか非常に小さい箇所に樹脂を入れようとするのですから、当然ですが繊細な微妙な力加減は必要です。

低圧注入に不信感を持っている方はこのような事を平気で施工している現場を見て理屈に合わないとおもっているのだと思います。

技術不足で器具の廻りから樹脂を漏らしているのに、いっぱいになったから漏れていますなんて言われて何んにも疑問を持たない現場の監督にも問題はありますけどね。