低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入の工事はこんな風にして欲しいのです

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写真は先週に施工した現場です。
建物は自治体の福祉センターです。
二年目でひび割れが発生して低圧注入で補修をしました。

この場合に低圧注入工事で要求される事は
1.エフロ、雨漏れは再発させないように確実にひび割れの中に樹脂を充填する事
2.低圧注入の施工跡は殆ど残さない事
3.不特定多数の人達の出入りがあり、間違っても樹脂を下にこぼさない事

以上のことが最低必要事項です。

上の写真はフロッグ注入後に養生フイルムで包んでいます。

どうしてこんな風にやるのかわかりますか。

殆どの職人さんはこんなやり方はしないと思います。

元々注入工事は下地を汚す工事だからそんな必要はないよと言うと思いますね。
前回に書きましたが、注入器具の廻りから樹脂が漏れているとひび割れの中に樹脂が満杯になったからなんてわけの解らない事を言うぐらいの程度なのですから。

その理屈から言えば建物を汚す事は当然となるのでしょう。

エポキシ樹脂を壁面に漏らしてそのまま硬化してしまうと溶剤などでは絶対に取れません。
固まってしまったら削り取る方法しかありません。

仕上がっている仕上げ材も一緒に剥ぎ取るしか方法はありません。

でも正しい注入の方法は決して下地を汚す事はありません。

フロッグに完全に注入が完了したら直ちにこのようにマスカーなどで養生をします。
この養生の目的は次のような事です。

1.外気温度が低い場合は純度の高い超低粘度のエポキシ樹脂は硬化が遅くなる為にこのフイルムで包んで内部を温室のような状態にして温度を上げて硬化を早くします。
次の日には硬化していれば撤去が出来ます。

2.低圧注入工法は殆ど見えないようなひび割れの中にも侵入していきますから光の加減で見えなかったひび割れから数時間後に流失する場合もあります。
その漏れた樹脂の流れをこの養生で防ぎます。

3.カラス君がつついて腹痛を起こされたらこまります。
そして有り得ないかも知れませんが、もしも何らかの理由で一滴でも樹脂が下に落ちて人に当たったら、そして固まってしまったら服に付いたらもう絶対に取れません。
髪の毛についたら髪の毛も一緒に切り取るか、お風呂に2回以上は入らないと取れませんぞ。

私の髪の毛が少なくなったのはエポキシ樹脂が付着した為にその都度引っ張って髪の毛を抜いていたから・・・・なんて。

次の写真は注入後撤去している状態です。
殆ど下地はよごれないでしょ、これが正しい注入の方法です。

ひび割れたところをそのままにしておくならそのままでOK。
気になるのならこの部分だけタッチアップで殆ど目立たなくなります。

今回はいわゆる役所の仕事ですから、こんな施工方法については設計事務所も建設会社も知っています が、民間によっては施工会社は汚れて当然とし建設会社は施工会社が言うのならそうなんだろうと言う 事になってしまいこんな風にはなかなかなりませんね。

願わくば施工店の意識を高めて低圧注入器具は『輪ゴム方式』ばかりではないのですよと知って欲しい ものです。