低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

安くて良い物がどうして普及しないの

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写真の製品が現在国内で流通している低圧樹脂注入器具です。
古いものでは30年以上も前から販売されているものもあります。

左上の商品が我がフロッグです。
この商品が一番新しく開発されたものですがその下の細長い製品も比較的新しく上市された商品です。

それぞれに特徴がありますが、基本的にはひび割れの中に樹脂を入れるために1kg~4kg程度の押し圧を加える機能を持っています。

フロッグとその右隣の製品は樹脂を注入するときに器具の中に発生する圧搾空気を利用して押し圧を得るる方法です。

一番右の上と下の製品は樹脂を入れるときの押し圧で表面の薄いゴムをゴム風船のように膨らませてそのゴムの戻る力で樹脂を押し入れます。

下の段の真ん中の製品は注射器のような構造をしていて、シリンダーで樹脂を吸い上げてそして輪ゴムを引っ掛けてその輪ゴムの戻る力で押し入れようとする物です。

左下の細長い製品はゴムで筒状の袋になっていて下のほうから専用の器具で樹脂を入れて膨らませてその戻る力で樹脂を押し入れます。

他にも2製品ほどありますが殆ど市場では見ないので、写真の商品が現在は主に流通している低圧注入器具です。

前回もこのブログで各商品の問題点について報告をしていますが今回は価格と樹脂の注ぎ足し機能に絞って解説したいと思います。

まず価格については
 フロッグに対して右隣の製品は1.7倍、右端上の製品は2.5倍、フロッグの下の製品は2倍、注射器のよ うな製品は2.3倍、一番右下の商品は3倍・・となっています。

樹脂の注ぎ足し機能については
 樹脂の注ぎ足し機能があるのはフロッグと右隣の製品、そして右端下の商品です。
 注射器タイプと細長い製品と右端上の製品については殆どできません。

注ぎ足し機能については現場で職人さんが簡単に出来ると言う事を前提としていますので、わざわざ器具を取り外して樹脂をこぼしながらもう一度付け直すというようなものについてはその機能はないとしています。

樹脂を注ぎ足すと言う事は、その器具に予め逆止弁を付けて樹脂を注ぎ足すと言う事を想定して設計されている製品のことです。
その機能がないのにやってやれない事は無いなどと言っても客観的に見たらその機能はないということです。

それはハイブリッドの車だと言って通常の自動車を馬に引かせて走るような事と同じ発想です。

今、国内で一番の占有率をもっている製品は注射器タイプの器具のようです。

何故なのでしょう。

高価でそして器具では一番大切な注ぎ足し機能がついていないものなのに。
不思議に思います。

注ぎ足し機能がないということはひび割れの中に巣穴があったり広がっていたりした場合はどうしているのでしょう。

工事の結果が解らない工事なのでそれでいいのだろうかと心配になりますね。

フロッグを発売した当初にこの業界の集まりの協議会では、フロッグがあまりにも安いからと、これではせっかく苦労してきた業界が不安定になるからといって代理店に圧力を掛けて扱わないような相談をしていたという事もありましたがもう安心したのでしょうか。

ここで問題なのは価格が安いと言う事よりもひび割れの中に接着剤を確実に注入するには注ぎ足し機能が不可欠と言う事なのに、その機能がないままに売り続けているという事が問題だと思うのです。

ひび割れ注入が建築業界であまり評価されていないのはこんな事も原因の一つだと思いますね。

注入時に器具のそばから樹脂が漏れだしているのにひび割れの中がいっぱいになったから漏れているのですよなんてありえない言い訳が通用する仕事なのだから悲しくなります。

樹脂は圧力を掛けて押し入れるのですから器具のそばから漏れ出したらひび割れの中には入らなくて全部圧力が抜けるところから出で行くのは当然で溢れるわけはありません。
仮止めシールが施工不良となっているのです。

これでは対価に値する仕事とは言えませんね。

この続きは明日に。