写真は池袋の某大学の体育館の壁面です。
写真ではUカツト跡があまり目立ちませんが、光の加減ではミミズが這った様な模様になります。
建物のほぼ一面に模様があります。
拡大して見て貰うと良く解りますよ。
この学校の増築、新築は殆どスーパーゼネコンS社が元請となって工事をしていますが、この処理の仕方はどこの企業だったのでしょうか、とても信じがたい施工ですね。
おそらくこのひび割れ補修はひび割れから漏水したから工事をしたのではと思いますが、果たして結果は雨水の浸入は止まったのでしょうか。
漏水が止まったとしたら、それはUカットの後に塗装したその皮膜で止まったのではないかと思います。
何度も報告していますが、Uカット工法はサンダーに大きさ100㎜径そして刃の幅10㎜の丸いディスクを取り付けて使用します。
ひび割れに沿ってディスクの刃を押し付けてコンクリートを削って溝を造ります。
その溝にシーリング材、もしくは可とう性エポキシ樹脂を埋め込みます。
つまりひび割れの上に目地を造ってシーリングする方法なのです。
その上に仕上げとして塗装をしているのですが日にちが経つと写真のように必ずその溝の後が変色して現れるのです。
何故、こんな状態で施主は了解したのだろうと思うのでしょうが、残念な事に施工して1年以上は殆どこのようなシミは出てこないのです。
忘れた頃に出てくるので直ぐにはクレームにならないのです。
ここで私が一番問題にしているのは施主は、漏水の為に施工を依頼している筈なのです。
ひび割れだけの問題なら仕上げ材の塗装でひび割れは消えてしまいますからわざわざUカットする必要はありません。
間違いなく漏水の為にUカットしているのです。
しかし良く考えてもらうとすぐに理解できますが、この写真のサッシ下の水切り部分はコンクリートの上に乗せられています。
丸い100㎜の刃をひび割れに沿って削るわけですがサッシ下のところはどうしているのでしょう。
ひび割れたコンクリートを完全に削るならアルミの水切りを切らなければ溝は造れません。
漏水する肝心な所の水切りの下は削れません。
一般的にはこの部分は削れないのでシーリング材をすり込んでいるだけなのです。
Uカット工法はコーナーとか床との切り付け部分とか一番漏水が予想される箇所はカットできないのです
このUカット工法で施工してすぐに漏水するからといって再度低圧注入を行う場合が多いというのは原因は殆どこのような事が原因なのです。
では何故こんな事をするのといえばその理由は実に簡単です。
スーパーゼネコンの担当者でも中にはUカットの欠点、そして低圧工法を知らない監督もいるのです。
低圧注入工法は施工した事が無いから不安で施工しない。
専門工事店を知らない。
高価だから・・・・・・なのです。
お金を出した施主は二度払いになるし踏んだり蹴ったりですね。
でも、このような事があまり問題にならないのは個人の住宅ではなく公的な建物に多いからあまり細かくは言わないのでしょうね
自分のお金を出すわけではないもんね。ハイ・・。