低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

四川大地震による建物のひび割れは修復できるか

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写真は地震によってひび割れた建物の写真です。

写真だけなので修復できる程度のひび割れなのか、建物全体が崩壊寸前なのかはわかりませんが住民が避難している事を考えればとても修復は無理なのかも知れません。

日本での通常の鉄筋コンクリート造であればこのひび割れの方向から推定すると荷重(押す力)はベランダの方から押されている事になります。

フロック、レンガ造であれば一概には判断できませんが。

立場を置き換えれば長年に亘って作り上げた我が家が、突然廃墟になってしまうと考えるととても諦めきれませんね。

心中察します。


話は変わりますが、建設会社のベテランの現場所長との話のなかに建築とは妥協の産物だよね・・・。
という話しを良く聞きます。

自動車のように工場の中で設計図と寸分違わないで作れる環境が無い事がその原因だと言います。

そうなのです。

建築に必要な部材は工場で作りますからそれこそ設計図通りに作れるのですが、建物を造るとなるとそれらの部材を現場で人力で組み立てるわけですからそこに妥協が発生するのです。

建築資材を開発する時に特殊な技術を持った人しか現場では使えないというものは造らないようにしているようですが、出来上がってみるとやはり熟練を積まないと設計どおりにはできないという結果になります。

例えば換気フードの場合については壁面の決められた位置に簡単に取り付けられますが、隙間のシーリング処理についてはとても素人では不完全で見栄え、防水に不安があります。

現場には色々なレベルの職人さんがいます。

タイルを貼るにしても貼るだけなら簡単ですが割付などのセンスはやはり職人さんによっては格差がでてきます。

こんな風な格差とかなんとなく不安、そして明らかに今までよりは下手な仕上がりなど、この事が妥協と言う意味なのです。

タイルの仕上がりが少し気になるからといって直ちに貼り直しと指示できればいいのですがなかなか
それはできません。

そこには技量、経済的なもの、時間的なこと、更には他の要因(足場が悪かったとか)などが絡まって結局は妥協してしまうのです。

ひび割れの原因であるコンクリートコールドジョイント生コンを時間を経過して注ぎ足して流し込んだ時に発生する隙間とかエフロによる接着不良部分)などは生コン車の手配が悪くて余分な量は廃棄するわけには行かないものだから明日流し込む予定の所に入れてしまう。
そして翌日、硬化したコンクリートに継ぎ足すものだからひび割れになってしまう。

こんなに時代が進んでいるのに建築だけはなかなか完璧に近づかないのは結局は人手に頼って出来上がる製品(建物)だからなのでしょうか。

技量がないから遠慮します、なんていう謙虚な職人さんはなかなかいないし、それに誰と較べて技量が無いと判断するにも本人では解らないしね。

建築の現場ではこんな事は常識なのですが、施主はこんな事は殆ど知りません。

自動車やテレビのようにロボットで作られているのではないのです。

街に沢山あるマンションは外観は同じようですが、内部は色々なレベルの人達で造られていて、そのレベルは当然違ってきます。

そのレベルの差が許容範囲なら許せるのでしょうが。


改修工事のときに廊下の天井が膨れているからおかしいと思ってハッリをしてみると、コンクリートのなかに型枠の角材が出てきてそしてその奥は空洞になっている事がありました。

この場合に新築時に下地処理をした左官屋さんにはわかっていた筈ですが何故ハツリ取らなかったのでしょう。

多分この左官屋さんは新婚間もない時期でいち早く帰り暖かい布団に入りたかったのだと推察。
この職人さんも『まっ、いいかぁ』だったのでしょうね。

おかげでこちらは仕事が増えるのだけれど、なんとも、ね・・・・・。