低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れの低圧注入はこんな風にして欲しいのです

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写真は標準的なフロッグの施工方法です。

仮止めシールとフロッグの取り付けは一緒に行います。
この方法によるとシール材の継ぎ目がなくなりますから注入した樹脂が漏れてくることは無くなります。

工法によっては台座だけを接着剤で取り付けて台座と台座の間は他のシール材で施工するような方法がありますが、肝心な台座の回りに隙間とか接着が悪くなるという不安があります。

次の写真はフロッグを取り付けている様子です。
注入口をひび割れた箇所の所に乗せますが、その隙間はひび割れの幅程度あれば充分です。
ここの押さえは熟練と技術が必要です。

仮止めシールの場合はシーリング材と同じですからヘラで確実に下地に押さえないと液漏れを起こします

現場の施工指導に行ったらヘラを持っていない職人さんが多いのにはびっくりします。
いままで打ち放しだったそうです。

 『樹脂が漏れてきません?』 
 『うん、洩れるよ・・・・』
 『それは駄目ですよ』
 『注入工事は樹脂が洩れるものだと思っていたよ』

次の写真は中粘度の樹脂を入れている様子で、その下は樹脂がなくなったので注ぎ足している様子です

注入した樹脂が台座とかシールから洩れてくる施工は不合格です。

よく、ひび割れの中が満杯状態になったから洩れてきたなんて訳の解らない事をいう職人さんがいますが満杯になったら裏側に漏れ出すのが常識です。
表に漏れ出すということはありえません。
単に取り付けとかシールが不完全だっただけです。

一旦樹脂が漏れだすと圧力が掛って押されている樹脂は漏れている所以外には動きません。
樹脂が抵抗の無い所を探して出てくるのですからより抵抗のあるひび割れの内部には絶対に入りません

我々フロッグの場合にも液漏れは絶対に無いとは限りませんが、しかしフロッグの場合はこのような時には次のような対応の方法があります。

一度漏れ出した箇所を探して左手のウエスで洩れている所を押えて、そのままの状態で再度フロッグから樹脂を注入して暫く様子を見ます。
フロッグの中の樹脂が無くなったら手を放します。

また、次の方法は漏れ出した箇所のフロッグの上と下のフロッグから樹脂を余分に注ぎ足して洩れている箇所のフォローするのです。

我々は1mで幾らということで請求する訳ですから、洩れて樹脂が入らないでそのまんま請求はできません

こんな事は注ぎ足し機能があるからできるのです。

シリンダー工法はこんな場合はどんな方法で対応しているのでしょうか。

低圧樹脂注入の業界はメーカーが殆ど兼業であるために施工現場での知識があまりにもなさ過ぎます。
かっては私もその立場にいましたが当時の事を思うと反省の限りです。

無知で営業していた頃が懐かしいと共に迷惑掛けて申し訳が無いと思うこの頃なのです。