都内の閑静な住宅街にあるマンションのタイルが剥がれて落下した事で補修工事に入りました。
設計事務所も元請建設会社もその補修の方法についてはより良い方法をという事で、我々施工者側の意見も大いに参考とした現場です。
今回の建物のタイルは躯体のコンクリートに直接接着剤でタイルを貼り付けている構造です。
タイルの浮きはタイルと接着剤もしくは接着剤とコンクリートそして補修材とコンクリートの間が剥がれ
ているということです。このような場合に補修の方法の意見を求められると、何がベストなのかという事
から報告をします。
その意見の中から予算とか工期とかその他のことを検討して調整をしていく、ということで施工方法を決定していくという方法が良いと思うのです。
この建物の場合、打診音の調査では全体の30%程度が浮いている状態です。
補修の方法について私は浮いているタイルは全て貼り替えを提案しました。
注入の施工業者が注入をしないで全て貼り替えとは養鶏業者が豚肉の方が美味しいよというものなのです
が。
この建物の場合に限らずタイルの剥がれた隙間に樹脂を注入するという方法が一般的な補修方法なのです
が、今回のような直貼りタイルの場合は注入による共浮きの発生があります。
共浮きとは注入をするとその圧力で今まで正常だった箇所までが浮いてしまうという現象です。
場合によっては注入をするほど浮きが広がるという皮肉な結果になります。
タイルの接着力が弱い場合は注入の圧力で簡単に剥がれてしまうのです。
写真は通常の浮き注入の方法とフロッグによる低圧注入の方法で試験施工している状態です。
フロッグで注入するということは注入時の圧力をかけないで樹脂を注入するという考え方です。
一般の注入屋さんでは考えない工法です。
ドリルは切り粉が詰まりにくいボッシュ製で、切り粉は吐出と吸出しが瞬時にできるワンダーガンを使用
しています。
低圧注入の場合はフロッグで低、中粘度タイプの樹脂を注入しています。
この場合は非常に簡単で確実で良いのですが、残念な事に樹脂が目地から漏れだしてタイルを汚してしま
います。清掃が仕事のメインになるので今回は使用しません。
今回の施工の方法は次のような方法で決定して施工に掛かりました。
1,浮きが広い部分は全て新しいタイルに貼り替え。
2.少ない浮き部分の場合は無理な圧力は掛けないで注入をし、翌日に再確認をして共浮きしていたら再 度注入する。
注入時に共浮きした場合はその時は追いかけて注入はしない。
硬化した翌日に再度追っかけ注入を行う。(硬化していたら固定されて共浮きはしないでしょう)
こんな事でやっと明日検査で終了なのです。
今回は暑くて、暑くて一時間おきに缶ジュース飲んでいたものね。
こんな時には不思議にトイレに行かないというのは、みんな汗で流れてしまうのでしょうか・・・・。
汗って汚いのかなぁ・・・。