低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

階段のひび割れの場合はこんな風に

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築後8年目のマンションです。

階段がひび割れをしてひび割れから遊離石灰が流失しています。

このようにコンクリートの中から石灰成分が流れ出すと中性化が早くなりいずれは鉄筋の錆汁が流れ出してきます。

早めの補修が大切ですね。

このようなひび割れの場合は雨水が浸入してくるほうから注入する方法が最良なのですが、この建物の場合は表の面は塩ビのシートが貼られており侵入の方からの注入はできません。

いずれ大規模改修の時にはシートを剥がして注入をするとして、今回はなんとかそのままの状態でひび割れの中に樹脂を注入したいのです。

建物は傷をつけないで、そして出来るだけ現状はそのままでという事なので多少手間は掛かりそうです。

アルミの手摺がコンクリートに埋め込まれておりこの部分がひび割れの誘発となっていると推察されます。

多くのマンションに手摺としてまた手摺壁の上にこのようなアルミの手摺を取り付けられていますがこの部分のコンクリートにはひび割れがよく見られます。

そしてそのひび割れからは遊離石灰が流失しています。

このアルミ手摺はアルミの組み合わせで作られていますからその継ぎ目から雨水が入り込み支柱に雨水が溜まってしまうのです。

溜まった雨水は雨が上がっても支柱の中に残っていますから長い時間をかけて下のコンクリートのひび割れから流れ出しているのです。

この写真のように石灰成分が鍾乳洞のようにつらら状態になるのはそのように長時間をかけて流失するからなのです。

過去にこの支柱に小さな穴を空けて水を流してしまいその上に更に穴を空けてそこから水中硬化型のエポキシ樹脂を流し込み残った水を押し出し固定した事があります。
ドリルで穴を開けた途端、噴水のように噴出してきました。

それこそ気が遠くなるほどの数の支柱に小さな穴を開けて樹脂を流し込みました。

設計士の方はこのような事はあまり知らないでしょうがアルミ手摺の中は水が溜まるのですよ。
なんとか工夫をして欲しいものです。

アルミ手摺はコンクリートに埋め込まない形式の方がいいですよ。

ひび割れの表面に遊離石灰が付着している場合はその結晶が表面よりどの程度の深さまで詰まって入るかを調べる必要があります。

殆どの場合は石灰成分は空気に触れると結晶化しますからそんなに深い位置まで詰まって入るということはありません。

注入はその位置まで小さく削ってそしてフロッグを取り付けます。
湿っていれば水中硬化型のエポキシ樹脂が良いでしょう。

アクリル系の注入材も使えますがこのタイプは異臭がしますのでマンションでは使わない方が良いでしょう。

このアクリル系の製品を造っている会社は大手なのですが今時、強烈な匂いにもかかわらず何の問題意識がないのには驚きます。(改良したのならゴメン)

前に試験施工してくれというから報告書に問題点を指摘したら 無視・・・。

この製品で作業をしていたら異臭騒ぎで消防車が出動してきたという話しを聞きましたが反省はしたのかな。