低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

戸建住宅の基礎のひび割れ注入はこんな風に

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写真は戸建住宅の基礎部分のひび割れ注入の様子です。

築後のひび割れ注入なので床下にもぐってからの注入工事です。

最近ではシロアリ駆除の方も布基礎のひび割れ補修を施工しているらしいのですが施工についてはぜひよりよい施工をして欲しいと思います。

注入は必ず超低粘度樹脂から行い、仕上げは適合樹脂で完了です。

一般の戸建住宅の床下は高さが40cm程度しかありません。
注入する場合はそのままではポンプの長さが40cm以上もありますから床につかえて注入できません。

ハイ、ハイ、わかりました。

フロッグの場合はそんな場合にもちゃんと対応できるように造っておりますです。

その方法は、フロッグの導入室部分を少しだけバーナーで炙って曲げるのです。

フロッグの注入口を横方向に曲げるのです。

自分で現場で加工するのは少し手間ですが、いい仕事をするのに手間を惜しんではいけません。

注ぎ足しをしない器具で注入するならこんな事は必要はありませんが、フロッグの場合は必ず注ぎ足しは必要としているのです。

お金を出す施主は対価に値するのだと信じているのですから。

バーナーで炙るのはほんの2,3秒でいいですよ。
あまり長く強い炎でやると溶けてしまうよ。

お施主さんの話ではシロアリ駆除の営業で基礎部分のひび割れを知らされたとか。
気になって建設した時の設計事務所に相談したら、専門の当店を紹介してくれたのだそうです。

ホームページの大切さを知りましたね。


ここからいつものように話は変わります。

今週は後輩の現場に応援に行きましたが、今回はとても勉強になりました。

築後17年のマンションの大規模改修工事の現場なのです。
10階建ての中規模のマンションなのですか。

下地処理全般のお手伝いだったのですが、ひび割れの処理は樹脂モルタル(カチオン)を薄くしてひび割れを刷毛ですり込む(実際は刷毛塗りだけ)工法です。

ひび割れ幅には関係はありません。
目につくひび割れは全て刷毛塗りです。

仕上げの塗装はローラーで塗る仕様のようです。

樹脂モルタルでひび割れを塗り潰す必要は何処にあるのでしょうか。

『なんで塗り潰すの』
『ひび割れの処理をしていると言う事を見てもらう為さ』
『塗り潰すぐらいなら塗装のシーラー処理で消えてしまうのに』
『わざわざ必要の無いカチオンを塗ると塗装の仕上がりだって気になるでしょうに』
『そんな仕様なんだからしょうがないよ』

『なんで0.4㎜もあるのに注入しないのかなぁ』
『しないよ、コストの問題さ』
『漏水にかかわるひび割れは低圧注入となっているけど今回も塗り潰す方法ですよ』
『なんでだょ』
『だってね、指示価格が1400円/mだょ、できます?』
『何、その価格、ほんとに?』

 休憩の時に指示書を見せてもらったら確かに1400円/mでした。

低圧注入工法の設計価格は国内の各社とも似たような価格で8000円から12000円/mです。
この価格は定価ですから実際の現場での価格はこれよりも安くなりますが、どんなに下げたとしてもこの価格の70%程度が常識となっています。

一体この価格はどうしたのでしょう。

ひび割れの1m当りに低圧器具を4個取り付けるのは各社とも必ず必要としています。
4個は取り付けないと樹脂がひび割れの中に充填できないからです。

低圧器具は高いメーカーで500円/個はします。4個でこれだけでも2000円ですよ。
仮止めシール、注入する樹脂そして手間賃は・・・・。

フロッグは業界では一番安価ですが、材料と工賃で1400円はどんなに逆立ちしても、逆上がりしてもできっこありません。

何故でしょう。

この現場の元請は年間にかなりな件数を施工している大手のマンション改修、販売をしている業者なのですが・・。

建物に発生したひび割れについては補修すると言う必要性を考えていないのでしょうね。

それよりもコストを下げる事が大切と考えているのでしょう。


必要は無いけど、何故すり込み工法をするのかと言うと管理組合からひび割れについてその処理を求められるからなのでしょう。

ひび割れの上に黒く何かを塗っていれば管理組合はひび割れの処理はしたのだと安心するからね。

でも、この元請は何を根拠にこんな価格で指示をするのでしょうね。

『たまに写真撮りだけをする場合があるからだと思いますよ』
『注入はしないで写真だけ撮るのはそれは詐欺だべ』
『いいや、写真撮りをする箇所だけは注入はしますよ。サービスですが』
『ふぅーん、まあ、ひび割れは17年間も前からあったけどどってことなかったからね・・・・』
地震がきたらその必要があったのか、必要がなかったのか解るかもしれないよね』
『マンションの大規模改修では基礎部分とか各室の梁部分、耐力壁は点検しないようだけれどいいのかな ぁ』
地震が起きてマンションが倒壊するぐらいの規模だったら、ひび割れなんかの問題どころじゃないから ね』
『うーん、でもね、阪神の震災の時にJRの橋桁にひび割れがあって、中は木の切れ端が埋まっていてそ の箇所から倒壊したと言う事があったけどね』

 理想的なマンションの大規模改修方法というような統一した指導書のようなものがあると良いと思う  ね。

 一級建築士の名前ばかりを多く揃えていて現場にはほとんど疎い改修工事会社には無理かな。