写真上は廊下から室内へ漏水する箇所のひび割れに低圧注入している状況です。
注入すると廊下の塩ビシートの下へエポキシ樹脂が溢れてきました。
隙間の中には樹脂が充填されたのでシートの下に入り込んむ雨水もこれで室内には侵入は出来ないでしょう。
このマンションは先月大規模改修を終えたばかりです。
100所帯以上のかなり大型のマンションです。
偶然ですが前回に報告した大規模改修の手伝いをしたマンション改修業者が施工した建物でした。
今回のひび割れの注入工事の依頼を受けたのはこのマンションを建てたゼネコンです。
改修業者ではありません。
今回の大規模改修は共用部と外壁、屋上などで、各部屋の苦情については各自この建物を建設したゼネコンに相談しているそうです。
前回にひび割れについては殆ど樹脂モルタルで塗り潰しているという報告をしましたが、やはりこの建物もそうらしくて廊下の天井は白いリシンの塗装なのですがくっきりと塗り潰した跡が引けムラとして残っています。
そら、言わんこっちゃ無い・・・・。
どうせ意味の無い塗り潰しのひび割れ補修なら塗装だけで充分にひび割れは消えるのに。
下の写真はなんとエントランスの壁は擁壁になっているのに、ひび割れがあったのでしょうかUカット処理をしています。
かなり雰囲気の良いマンションなのに広いエントランスの壁には大きなミミズが這ったようにひび割れの跡が盛り上がっています。
管理組合はなんの意見もなかったのでしょうか。
光線の加減で写真ではあまり解りませんが肉眼では目立ちますね。
この改修業者は低圧注入の工事費が常識では考えられない価格の仕様ですからこんな風になるのでしょうね。
Uカット工法はひび割れの表面を削って、幅を広くしてシーリング材などで埋め込むだけですから擁壁のように強度が必要な箇所には使っては駄目です。
ひび割れを固定して補強しなければ改修の意味はありません。
少し強く言いますがマンションのコンサルタントとか管理会社とか専門の改修業者には外見的には一級建築士を多く揃え営業的にはいかにも優れているように見えますが・・。
果たして我々が期待する、建てる喜びとか苦労した末に出来上がった建物に対する愛着を持つ建築士・・・なんているのでしょうか。 (今時、建てた建物に愛情なんてと笑われるかも知れませんが)
こんなミミズが這ったような壁面を自慢できますか?
丸の内線の駅の改修で夜中に苦労して注入工事をした本郷3丁目の駅、今は綺麗な駅になって、通る度に僕はいつも自慢に思っています。