低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

こんな所のひび割れから漏水

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強い雨の時に限って室内に漏水するというのでよくよく調べると、なんと廊下の検針、給湯器室の床のひび割れから漏水していました。

この廊下にある給湯室は暖気を抜く為に扉の上の方は開口となっています。

風を伴った強い雨の時にはこの部分から雨水が浸入して、そして床に溜まりひび割れから隣の室内へ侵入していくのです。

今回、このひび割れからフロッグで低圧注入すると案の定、隣の室内へ樹脂が流れ出してきました。

こんな場所に防水すると言うことは通常はないものですから、設計が問題だともいえません。

スラブの上にモルタルを塗っていますが、このモルタルが浮いていて更にひび割れている事が事の原因です。

床のひび割れから雨水は入りそしてスラブと浮いたモルタルの隙間に溜まり、そして隣との隔壁の切り付けのひび割れから侵入しています。

あまり見ない漏水です。

建築後15年も経過すると色々な所に隙間とかひび割れが発生するのでしょうね。

それにもしもこの扉の開口部分にルーバーを取り付けていると殆ど雨水は侵入しないのでしょうが、設計士にはここまでの事は推察できなかったのでしょうね。

机の上での仕事だから現場の事はあまり知らないでしょうからね。

この場合には床の部分に塗布防水をしても漏水は防ぐ事ができます。

でも耐久性からすればやはりエポキシ樹脂の注入がベストでしょう。
一般的な塗布防水のウレタンはその塗布量によって劣化が極端に違ってきますから、薄く塗る職人さんの場合は短期間で再び漏水の可能性があります。

エポキシ樹脂の場合は内部まで侵入していますからコンクリートモルタルの補強が出来るし耐久性については20年間は大丈夫でしょう。

エポキシ樹脂はどのくらいまで持つの・・・なんて質問が良くありますが業界では推定で20年程度と言う人が多いですね。

実際には正確には殆ど解りません。
ひび割れの中に入ってしまったエポキシ樹脂を短期間でその耐久性の試験をする方法が無いのです。

試験の方法で暴露試験という方法があります。
試験体をそのまま外に置いて何年目にひび割れるかとか白く白華するとかを見る方法です。

エポキシ樹脂はこの方法では2年ほどで変化してしまいます。
エポキシ樹脂は紫外線、熱には弱いのです。

でも、ひび割れとか、隙間に入り込み紫外線、熱がないと今度は殆ど変化はしないのです。

広島の原爆ドームの補修に使ったエポキシの調査では20年目にも殆ど変化がなかったという報告書があります。

エポキシ樹脂は他に硬化しても収縮しないとか、樹脂の中では最強の接着力を持つとか、そして少しの湿潤面でも接着するとか更には水中でも接着するとか・・・・。

1938年にヨーロッパで生まれたのに、まるでひび割れ注入の為に開発したような特性です。
2007年にジャポンでフロッグが生まれる事を予想していたのかな・・・・なんてかぁ。

開発した化学者ピエリー君に逢ってみたいものです。
そして赤提灯で議論するってかぁ。

すみません・・・冗談です。