低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

打継目地からの漏水の場合

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打継目地の構造

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10月の台風時にテナントビルの1階と4階の床の切り付け部から漏水しています

考えられる原因は外部の打継部分の目地にシールしているシーリング材が劣化して剥がれて隙間が発生していると考えられます

この様な場合は外部に足場を造り劣化したシーリング材を撤去して新しくシーリングをすると良いのですが繁華街での足場の設置は大変な費用と手間が掛ります

我々はこのような場合も内部からひび割れた隙間にエポキシ樹脂を注入して漏水を防ぎます。

この方法が確実に防水ができるのです

スケッチに書いているような構造ですから内部の切り付け部分に5㎜幅の溝を造りその中にポリエステルのネットを埋め込みそして低圧注入器具のフロッグを取り付けます

隙間を仮止めシールで注入した樹脂が漏れないようにしてネットの上から注入をします

この場合に注入した樹脂は最初にネットの中に入り満杯になり圧力が掛るとひび割れた隙間に徐々に侵入して外部の劣化したシーリング材の所に届きます

硬化したらフロッグと仮止めシールを剥ぎ取りその上にプライマーを塗布し仕上げに可とう性エポキシ樹脂(通称弾性エポキシ樹脂)で切り付け部に三角打ちをします

可とう性エポキシ樹脂は殆どのメーカーのものは接着力があまり強くないので我々は高粘度型のエポキシ樹脂を20%程度量を混入します

ひび割れた個所に低粘度のエポキシ樹脂を充填し更には表面から可とう性エポキシ樹脂をシーリングします。

これなら二重に防水処理をすることになりますから安心なのです

この方法は床が現わしになっている場合は簡単ですがマンションなどの場合は床材を剥がす必要がありますから外部のシーリング材を剥がして新しくシーリングする方が良いですね。

このビルは池袋駅近くですからそれこそ隣のビルとの間には隙間が少ないのでゴンドラすら吊るせません。

マンションの場合はゴンドラ、高所作業車程度ならなんとか使えるでしょうから外部からの工事がベストだと思います。