低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

テナントビルのひび割れから漏水

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新宿駅近くの8階建てのビルですが、テナントさんが入居される直前の大雨で壁面の数か所のひび割れから漏水しています

このような状況の時に一般的にその対処の方法は外部にゴンドラ等を取り付けて外部のひび割れを補修します

我々はそのような方法は採用しません

内部の雨水が漏れてきたひび割れの個所から低圧注入工法で樹脂を注入してその隙間を塞いでしまいます

その方が止水はより確実で更にひび割れた個所のコンクリート壁面の強度をひび割れる前の状態に復旧することができます。

外部に足場を造ることもなく費用も時間も少なくて済みます

普段の雨では雨水は室内に侵入しないのに先月に関東地区であったような風を伴った強い雨が長く続くと室内に漏水するという現象は微細なひび割れによくみられる事なので

す。

それは外壁に強く吹き付ける雨でその部分は圧力が高くなり室内との気圧差が生じるために微細なひび割れからも漏水してくるのです

かなり昔に木造の家で台風時には決まってサッシの周りの隙間から雨水が浸み出してくる症状を何故だろうと考えた人がいて、その原因は室外と室内との気圧差(1~4㎏)だと解明した応用化学の博士がその報告をしたことで皆が知ることになりました。

その時の原理(押圧1~4㎏)が今国内にある低圧注入工法の注入器具の構造の原理となっているのです

我がフロッグはその気圧差を圧搾空気の力で樹脂をひび割れの中に押し入れています

ひび割れの中に押し入れられた樹脂は必ず扇型に広がりながらひび割れの中に侵入していきます

室内側から外部に向かって樹脂は広がっていくのです

 

写真は濡れている個所の塗装を剥ぎ取ると0.3㎜幅程度のひび割れが現れてきた様子です

このひび割れの上にフロッグを取り付けて周りの仮止めのシールが硬化したらエポキシ樹脂を注入します

エポキシ樹脂が硬化したらフロッグ共全てを剥がして元通りにします

ここで注意すべきはひび割れは外部まで貫通していますから注入した樹脂が外部に溢れて来たら直ちにストップして余分に流れ出さないようにします

流れ出した場合には必ず樹脂を拭き取りますがもしも届かなければ危ないから諦めてね

危ないから・・・・

エポキシ樹脂は紫外線などが当たらなければ30年以上の耐久性はありますが、熱と紫外線を当てると半年もしないうちに黄色く黄変します。

ビルの外壁に黄色い染みが現れるとクレームになりますから予め説明しておくことが大切です。

このような漏水は沢山あるのだろうけど低圧注入工法を知らない防水屋さんはどのようにしているのだろう・・・足場を付けて大掛かりに工事をするのだろうか。

どちらにしても漏水が止まればどんな方法でもいいのですが

参考知識 エポキシ樹脂の引張り強度は70~90㎏/cm2  

                  コンクリートの引張強り度は40~50㎏/cm2   

一度注入するとその同じ部分からは決してひび割れはない。