基礎のコンクリートは打設して3ヶ月目だそうです。
ひび割れが発生して1ヶ月目になりますが本格的な建築の前に低圧注入により補修します。
ひび割れが発生して時間が経っていますからひび割れの中に砂、ゴミが入り込んでいます。
このような場合はひび割れを現す為に表面にサンダーで深さ20㎜ほどの切り込みを入れます。
この方法はひび割れの表面に遊離石灰(白いエフロなど)が詰まっている場合とか、錆汁で詰まって入る場合にも応用できます。
切り込んだ後に中にひび割れがあるのかを確認してからフロッグを取り付けます。
フロッグはノズルを外す事が出来ますからセットして樹脂を注入前に確かにひび割れの上に注入口が合っているかの確認が出来ます。
注入は必ず超低粘度樹脂から行います。
住宅の基礎の場合はコンクリートの下は防湿フイルムが貼ってありますから、ひび割れの中が樹脂で満杯になると隣のフロッグに樹脂が下から上がってきます。
殆どの場合はこのように確実に充填したか否かが注入時に解ります。
低圧樹脂注入の場合は注入した樹脂がどこにどのようになるのかを推察しながら注入してもらうといいですね。
樹脂を入れ過ぎても何んの問題もない場合は入れ過ぎたと思うほど沢山入れる方がいい仕事ができます。
床とか天井の場合は余分に入れても他の部材に殆ど影響しない場合が多いので安心して多めに入れる事ができます。
フロッグは樹脂の注ぎ足しをすると言う事が基本的な開発思想ですから、使い慣れた人は一度きりの注入ではなんとなく落ち着かない不十分な気がするのです。
何故、最初の注入は超低粘度の柔らかい樹脂を入れるかというと柔らかい樹脂ほどコンクリートへの浸透性が高いのです。
最初に柔らかい樹脂を入れると微細なひび割れの中にも楽に侵入していくし浸透していきますから次に入れる硬い樹脂も滑りが良くなって隙間無く侵入してくれるのです。
更には接着剤には必ず下地処理にプライマーが必要です。
この場合には超低粘度の樹脂が浸透するプライマーの代りとなるのです。
確実な接着と隙間無く充填する事を解決できるのです。
注射器タイプの器具を使っている職人さんは最初からこのような機能は無いのだから、ひび割れ幅に適合した硬さの樹脂が必要とかプライマー効果とか滑りが良くなるなどは教えられていないと思います。
だから、現場には一種類の樹脂しか持参しないし、ひび割れ幅が大きくても小さくても一度器具をセットしたら完了となります。
ひび割れ幅に合った注入ではなく、持参した樹脂の硬さに合ったひび割れしか注入出来ないとなります
疑問を感じませんか。
超低粘度タイプの樹脂はひび割れ幅が0.2㎜以下でも侵入していきます。
例えばひび割れ幅が表面は0.4㎜でも奥のほうは0.05㎜だったらどうなるのでしょう。
低粘度の樹脂一種類しか注入しないとなると確かに樹脂は表面は入っていくけど奥の方のひび割れ幅が
小さくなっている0.2㎜以下の部分には充填ができません。
一般にひび割れ幅は決して一定ではありませんからこのように注ぎ足し機能が無い器具は不完全な仕事に終わると言うのです。
低圧樹脂注入は最初は超低粘度から始めて次は低粘度を注入して更に中粘度を使用する、というようなひび割れ幅に合った樹脂で注ぎ足していく事が基本なのです。
施主はなんにも知らないのですから・・・。
それでも君は輪ゴムを使う注射器タイプを使うのかい・・・。