低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

高齢者ホームの1年検査の場合

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郊外に新しく造られた建物ですが1年目で外壁にひび割れが発生しています。

1年目の建物ですからできるだけ仕上げ材には傷をつけないようにします。

それでも1年間のゴミが付着しているのか剥離性のシール材を取ると仕上げ材は多少白くなります。
この程度は共ネタ(保存してある塗料)で完璧にひび割れの跡はわからなくなるでしょう。

毎回色々な建物のひび割れと接していると、ひび割れの発生については単に施工のミスとは言いがたいと思います。

施主はお金を払うのだからひび割れについては文句を言いたくなるのは当然ですが、でも何が何でも保証しろ、責任を取れと言うのは違うような気がします。

むしろ鉄筋コンクリート造の建物を選択したときからある程度は覚悟すべきだと思うのです。

それは施工よりもむしろ設計の方法に問題が多いのではないかと思います。

この写真の建物の場合にしてもひび割れた位置をみると建物の動きが集中するような箇所が同じようにひび割れています。

もしもこの場所にスリットを設けてムーブメントを吸収するように設計していれば今回のようなひび割れは発生していないと思います。

でも、ひび割れの発生の責任がなかなかはっきりしないのは、例えばこの建物とそっくり同じ物を造ったとすると果たして同じ位置にひび割れが発生するのかと言うと・・そうでもないのですね・・。

ひび割れの発生する要因が多すぎるのです。
しかもその要因が一つと言う事ばかりではなく、それぞれの要因の複合作用によっても発生するのですから責任の所在をというと本当に厄介なのです。

私のような立場の人間に言わせるとひび割れが起きた事の責任追及よりもいかにして補修するかと言う事に力を入れた方が良いと思うのです。

マンションの瑕疵工事の場合に入居者の方達が怒っていて補修する業者に非協力的なのは決してプラスにはならないと思いますね。

施工中に音がうるさいとか早く終われとか・・・あるのですよね、こんな事が。

せっかく補修するのですから職人にはベストの仕事をさせて下さい。

いくら怒ってもひび割れは元通りには戻りません。
どうせなら徹底的に直した方が良いと思いますよ。


入居者の方達もひび割れについてはもっと勉強して欲しいですね。

インターネットの相談コーナーを見ていると、ひび割れの相談に対してUカツトか低圧注入がいいでしょうなんて答えていますが。

それの答えは違うだろうと言いたくなります。
色々な意見を聞いて勉強すればこんなことを言う回答者には相談しなくなるのにと思います。

ひび割れには動きが発生してひび割れたものと、一度ひび割れたら殆ど動きがないひび割れがあります。
常時動きが考えられるひび割れはUカツトが最適ですが、動かないひび割れはエポキシ樹脂による注入が最適なのです。

国土交通省の仕様では1㎜以上のひび割れ幅についてはUカットとなっていますが、これは1㎜も割れていると言う事は必ず動きによるものだと推察するからなのです。

そうです、構造クラックなんて一度動いたらその後は殆ど変化はしないようだし、ひび割れの幅もそんなに大きいのはありません。

官僚と役人は好きではないけど、このような事は官民共同研究のときに経験等によって理解してくれるもんね・・。
それなりに勉強はしてくれますからね。

フロッグに天下りは・・・あるわけないよね。
天と地がひっくり返ったらどうかな・・・絶対に無いよね・・お金出せないもん。

来るかい、だつたら国会議事堂のひび割れを低圧注入したいねぇ。