低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

黒字でも倒産する時代なのです

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写真はバルコニーの外壁に面した内側のひび割れです。
外側は高級な白い人工大理石の仕上げです。

この場合のひび割れは幅は0.2~0.3㎜です。

樹脂を入れすぎると外壁の大理石に漏れてきます。
漏れるとエポキシ樹脂は2ヶ月ほどで鮮やかな黄色に黄変してしまいます。

一旦漏れてしまうとその清掃に大変な費用と時間が必要となります。

注入には細心の注意が必要です。

壁面の厚さは180㎜程度ですからひび割れ幅が0.3㎜の箇所は1m当り54ccの容積となります。
実際は60cc程度が満杯。

フロッグは1m当り4個取り付けていますから1個当り13ccが注入量の限界となります。

低圧の押す力も考慮するとなかなか微妙な作業ですが、そこは長年の経験から大丈夫です。

参考ですが・・。

ひび割れの中に何故エポキシ樹脂を注入するのでしょう。

コンクリートのひび割れた箇所を低圧注入で補修する目的はそのひび割れた部分を強固に固定し密封するという事にあります。

固定するという事はコンクリートよりも引張り強度が強いものが必要です。

一般的にはコンクリートの引張り強度は40~50㎏/cm2です。
注入用のエポキシ樹脂は70~90㎏/cm2なのです。
エポキシ樹脂は引張った時の強度はコンクリートの倍程になります。

ひび割れの中にエポキシ樹脂を注入すると、再びその部分からひび割れる事はありえません。

丁度、紙と紙の端っこを糊付けして、乾いてから両方を引張ったら決して糊付けした所からは破れないという事と同じなのです。

注入したのにひび割れが同じ所から再発したというのは、元々注入が殆ど出来ていなかったという事なのです。
半分程度でも注入していればそんなに簡単には再発はしません。

ムーブメント(ひび割れた箇所に動きがある場合)によるひび割れの場合は注入後にも動きますからひび割れの再発は同じ所ではなくすぐ近くに元々のひび割れに沿って再発します。

住宅の場合には殆ど収縮(養生などの施工によるものも含む)によって発生しひび割れは動きませんが、
地盤の不等沈下による原因のひび割れは動きが発生します。

JISA6024の引張り強度の試験方法を解りやすく説明すると、
コンクリートそしてエポキシ樹脂を鉛筆のように1cm角の棒状にして両方から引張って切れる(折れる)までの必要な力ということです。

実際の試験体はもっと大きな形のものです。引張って破壊後にcm2に換算するのですが。

更に解説するとエポキシ樹脂を1cm角の棒状に造って若いときの清原(オリックスを引退した)がぶら下がっても切れない強さという事なのです。

エポキシ樹脂は接着剤の中では最強の接着剤なのです。