マンションの隔壁のひび割れは、ひび割れが隣まで貫通している場合と表面だけのひび割れとに別れます
コンクリートの壁を貫通しているひび割れの場合は、空気、湿気の流れがひび割れの中を通りますから必
ず表面のクロスにミミズが這った様に膨れています。
壁を見て光の加減でクロスが皺になっているようであれば殆ど下地のコンクリートにひび割れが発生して
いると考えても間違いは無いと思います。
隔壁のひび割れは音が漏れる、クロスが皺になっているなどが苦情となりますが、建物の強度にはあまり
影響は無いと思います。
全く問題はないとは言えませんが、さほど心配には及びませんと言う程度です。
ひび割れがあると,無いのとは当然の事ですが無い方の方が強度は優れると言う事は間違いは無い事です
現在のマンションの隔壁の仕上げ方法は躯体に直接クロスを貼る方法ですからひび割れが発生すると直ち
に表面のクロスに皺などで現れてきます。
15~20年ほど前までは躯体に直接クロスを貼るような方法ではありませんでした。
当時はコンクリート躯体に石膏ボードを貼り付けてそしてクロスを張っていました。
ですから躯体にひび割れが発生しても全く表面には現れませんでした。
ひび割れの処理から言えば今の方が良いのですが、造った建設会社からすると強度にあまり関係が無いの
だから隠していた方が良いと言えます。
でも、建物の側から見れば今の方法が良いとおもうでしょうね。
隔壁といっても建物を支えている耐力壁もあるのですから、区別して補修するよりもひび割れは全て補修
する方法が間違いはないと思います。
高いお金を出して買った一生に一度の大切な財産なのだし。
それに強度に対しては影響が少ないと言ってもひび割れがあると隣の音も漏れてくるだろうし、その部分
は鉄筋だけで支えていると思うと気になりますよね。
写真はクロスを剥がしてひび割れの中にフロッグでエポキシ樹脂を注入した跡の様子です。
この後にクロス屋さんが仕上げてくれます。
丁寧に注入をするとこの写真のようにひび割れの部分にエポキシ樹脂が染み込んで仕上がります。
ひび割れの幅は0.2㎜程度だったのですが表面にはモルタルで表面調整をしていますのでその部分にも樹
脂が染み込んで広がりますからひび割れが大きく見えます。