低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

地下鉄のホームの改修工事の注入の場合

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東京には色々な路線の地下鉄がありますが昨年に開通した副都心線も入れると12もの路線があります

地下鉄を利用している人はそれぞれ自分の好きな路線があるのではないかと思います。

最近出来た大江戸線とか副都心線などは床から天井までピカピカの新しい素材で都会的で清潔で綺麗だと

は思いますが私はあまり好きではありません。

銀座線などは古いせいもあってあまり綺麗とは言えませんが結構ファンがいるようです。

私の場合は何度か改修工事に拘わった事があるという理由もありますが丸の内線が好きです。

地下鉄なのにいきなり地上に出て都心の川に沿って走る時などは混んでいてもほっとしますね。

殆どの路線には私鉄との相互乗り入れがあって長距離の通勤客が多く利用しますが、この路線は昔からの

地下鉄のそのまんまです。




今回はホームの改修工事に拘わリます。

壁面に新しく大きな石材を貼り付けるのだそうですが、下地のモルタルが所々に浮きとひび割れがあるそ

うなのです

その浮いたモルタルを注入によって固定すると言う事です。

マンションとかビルの壁面のモルタル浮き補修については、モルタルと躯体のコンクリートの間の隙間に

硬いグリス状のエポキシ樹脂を高圧にて充填する方法が一般的で、なんの難しい事等はありません。


しかし、地下鉄の壁面の場合は簡単ではないのです。

今回のホームの壁面については外側のコンクリートとの二重壁となっているために、その下地はブロッ

クとなっています。

フロックの上にモルタルをかけてその上にタイル等の仕上げとなっています。

モルタルとブロックの間の浮いた隙間に注入をしようという事なのです。

問題は浮いている箇所にドリルで穴を開けるのですが、ブロックは非常に柔らかいので共浮きを防ぐ為

の固定するアンカーピン等を打ってもその強度がなくて使用できません。

また、ブロックは内部が空洞になっていますから穴を明けるときに少しでも深く開けすぎると注入した樹

脂は空洞の中に落ちてしまいます。

共浮きと、穿孔の深さを考えながらの注入となります。

更には工事する時間は終電から始発の僅か4時間しかありません。

始発まではその日に行なった工事の養生を確実にして、さらにはゴミを清掃して終わりにしなければいけ

ません。

注入の仕事は正味深夜の3時間程度しかありません。

道路、鉄道の工事は深夜でと言うのはしようがない事なのです。



写真は高圧注入の試験施工です。

高圧の注入でモルタルの共浮き(注入の圧力で正常な箇所まで剥がれて浮いてしまう現象)が激しい場合は

低圧注入工法で施工しようとテスト施工をしています。