低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

拝啓 国土交通省大臣官房官庁営繕部殿

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自動式低圧樹脂注入工法の問題点について

益々ご清栄の事とお慶び申し上げます。

さて、標記の件について以下の件についてご質問致しますので宜しくご検討、回答をお願い致します。

1.工法の名称について
  
  現在の名称は自動式低圧樹脂注入工法となっていますが、何故自動式なのでしょうか。
  
  この名称は平成4年にそれ以前に行なった官民共同研究の意見の下に制定されています
  
  当時はひび割れ幅と樹脂の硬さとの適合性が確認されておらず、ひび割れの幅に拘わらず低粘度型の  
  樹脂のみが低圧注入工法の樹脂となっていました。
  
  当時の器具メーカーでは樹脂は一種類しか上市していない会社が殆どでした。

  ひび割れ幅に合った硬さの違う樹脂を注ぎ足すと言う方法が解らなかった、又、器具によってはその  
  ようなことを想定していない器具が多かったためだと思われます。

  一種類の樹脂をしかも一度きりの注入が基本となっていたために名称を自動式としていたのだと思い

  ます。

  ゴムの収縮力、バネの戻る力、圧搾空気の押す力等でその力が無くなれば注入は工事完了としていた  
  為に自動式と言う事だったと思います。

  現実にはこの決まった硬さの樹脂でしかも一度きりの注入では殆どの場合は不完全な注入となります

  自動式ではなく器具に樹脂が無くなったら注ぎ足しを行なうとか、ひび割れ幅が大きい場合はせっか  
  く注入した樹脂が流下しないようにより硬いグリス状のように硬い樹脂で流下を止める必要がありま   
  す。

  決して自動式で終わりにしてはいけません。

 
 2,器具に残った樹脂の量で注入結果の判定について

  その根拠は何処にあるのでしょうか。

  ひび割れは殆どの場合はコンクリートの裏側に貫通しています。

  ビンとかペットボトルのように底があるわけではありません。

  満杯になったら樹脂は入らないで止まってしまうなんて事は絶対にありません。

  確実な注入をすれば必ず裏側から漏れ出してしまいます。

  注ぎ足しをして圧力をかければトコロテンの突き出しのように裏側にどんどん流れ出します。

  また、流下しないように硬い樹脂でひび割れの中に栓をするような方法を行うこともあります

  以上のことから注入器具には一概に残っているから合格とか無くなっているから不合格なんていう事

  はまつたくの勘違いと思います

 
 3,何故注ぎ足し機能の無い器具を指定しているのでしょうか

  平成4年から既に17年間も過ぎています、そろそろ改正したらいかがでしょうか。
 
  低圧注入器具も注ぎ足しを想定して造られた新しい製品もあります。

  
  低圧樹脂注入工法については今は、かなりの部分で不確実な工法と比喩されています。

  結果が見えない工事なのですから尚一層施工については確実な方法が必要だと思います

  技能検定の国家資格が出来て既に20年近くにもなりますが、未だにこの工法の専門店が極少で殆ど

  育っていません。

  自動式と言う事ですから素人の兼業職人さんでもできると言う事なのでしょうか。

  
                                 以上

  なあんて事を言いたいのです。

  実際は提出はしませんよ。

  まあ、このブログを見るほど低圧工法には殆ど興味は持っていないでしょう。

  このような事は担当の部所ではめんどうで殆ど理解したくはないのではと思います。

  日本の役所とはそういうものだと思います。

  薬害訴訟を検証したものを見ると、何処かの大学の教授あたりが中心になって結果的には偏った考え

  方で薬を選定してしまう。

  本当にわかった技術者がいても厚生省の役人達自身が勉強をしないものだから、めんどうで広く意見

  を求めないと言う事が原因の多くを占めます。


  このブログにも注入の再施工の依頼がよくありますが、土木、建築の工事でこんな風ないい加減な工

  事が他にあるでしょうか。

  知っている限りでは他にはないようですね。


  明日から北関東に出張工事です。

  写真は注入後樹脂が下に流れる流下の様子を再現しています。

  一度入れた樹脂が時間と共に下に流れ出してしまうのです。

  自動式だからと言って放っておけば翌日には樹脂は無くなってます。

  わかりましたか・・・。