低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

知的所有権になるかな

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今日はフロッグポンプの話しです。

低圧注入器具のフロッグはひび割れの中に接着剤を注入する器具ですが、この製品の最大の特徴は柔らか

い接着剤からグリス状の硬い接着剤を圧力を自在に変えながら注入できる構造となっています。

接着剤をフロッグの中に充填するには市販のグリースポンプかもしくは専用のポンプが必要です。

写真はフロッグのために作られた専用ポンプです。

このポンプはオリジナルな製品で新潟のフォーク、スプーン産地の三条市にある金属加工の会社に依頼し

て造ったものです。

製品の構造、形はこちらで設計したのですが、一番苦労したのは樹脂を押し出すピストン部の機密性の機

能です。

このポンプの構造は簡単で昔の水鉄砲と同じで、ノズルを樹脂の中に漬けてそのままピストンレバーを引

き樹脂を吸い上げてからそのままフロッグのなかに充填します。


樹脂を吸い上げるのですからピストンのパッキンの構造によっては空気が漏れて上手く吸い上げる事はで

きません。

そこで写真のようにゴムのOリングを2箇所と決めて、生産をして販売しているのですが。

もっと簡単に、安く、確実にと現場でこのポンプを使用する毎に考えていたのですが、やっと最高の構造

であろうというものに辿り着いたと思うのです。

このポンプを使用するときにはエポキシ樹脂ですからゴムそのものは溶け出したり膨潤したりすることは

ありませんが、作業が終わった時に溶剤(トロール)でエポキシ樹脂を洗い流すのですが、ゴムはこのト

ロールには弱いのです。

油断すると膨れてしまいシリンダーの中で動かなくなります。

それに少しでもエポキシ樹脂が付着していると固まってしまうのです。


ゴムの素材をシリコーン系にしたり耐油性にしたりしても、洗い残したエポキシ樹脂の硬化には全くの

お手上げなのです。

短気な職人さんは一旦硬化してしまった場合はポンプを捨ててしまう様です。


まどろみのなかで気が付いたのです。

ゴム,プラスチックに拘るから駄目だったのです。

『紙』だったらどうです。

紙ならばエポキシ樹脂とか溶剤(シンナー等)に溶けることはないし、それに樹脂を吸い込んでくれるか

ら機密は持てるし更には滑りは良くなるし・・・いいでしょう。

更に、更にテープならば洗わないで剥がして捨てれば良いでしょう。


どうしてこんな簡単な事に気が付かなかったのでしょう。

これを見るとフロッグポンプと同じ製品を造っている外資系の某メーカーは早速実験するのではと思いま

すが、今日私が公表したから特許はどうだかな、付加価値を付けれるかな・・・。

特許は申請前に誰かが既に実用化していたり研究文献があればなかなか取れないと思うよ。


写真の青い方は職人なら誰でも持っている養生テープをピストン部に巻きつけている状態です。

そうなのです、これで一日中使っても問題無しなのです。



どんなにいいアイディアでもフロッグが普及しなければ何んにもならないのが辛いっすょ。