低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

何故低圧注入工事の専門店が育たないのでしょう

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このタイトルについては昨年の6月に報告していますが、業界にとっても、私にとってもとても大切な事

だと思っていますので再度の報告です。

低圧注入の専門店というのは何を基準にしているのかと言えば

その会社の受注件数のなかで低圧注入工事、浮き注入工事の占める割合が少なくとも60%以上である事

つまりその会社の売上げの大半が低圧注入、浮き注入工事費である事となります。

20年ほど前までは鉄筋コンクリートモルタル補修(仕上げ)の建物が多くありましたから、浮き注入に

限って言えば結構専門工事店はあったように思います。

現在はこのようなモルタル仕上げの建物は古い学校とか古い公営住宅などが残っていますが数量としては

非常に少ないものとなっています。

浮き注入工事の職人さんもこのような建物の減少に比例して極端に少なくなっています。


何故、専門工事店でなければ駄目なのか。

(専門店でなくても基本的なことを理解し、必要な材料をその都度用意する気持があり対価に値する仕事 を目指すなら問題はありません)

コンクリートのひび割れは決して一定なものではありません。

その幅の大きさそして長さ、濡れ、詰まり、貫通、未貫通、下地の様々等等があります。

注入施工は全て同じ方法、いつも同じの材料では施工できません。

材料の選定・・・

売上げの殆どが低圧注入工事であれば、当然の事ですが材料も豊富に在庫をするでしょうし、低圧注入器

具についても各メーカーの特性を良く理解して使用する筈・・となります。

当然ですが自分の会社の信用とか利益を考えて仕事をするでしょうから、各メーカーの製品を比較しそし

てその中で自社の受注する構造物のひび割れに合った製品を選定する。

そしてその中でも機能が優れより経済的な製品を使用すると思います。



技術の蓄積・・・

専門業者であれば建物の色々な部位のひび割れについても経験します。

経験すると思わない失敗も沢山するでしょう、その失敗も対策の方法と一緒に知識として蓄積されます。

注入すると器具付近から漏れ出してくる事も、最初から全く樹脂が入らない事なども繰り返し経験する

事によってその原因とその対策が解ってきます。


経験によつて得た知識はお客様を安心させそして自信を持って返答できます。


1年間に数回しかしない程度の兼業の工事店では樹脂の各種類を在庫したのでは採算が合いません。

採算が合わなければ合うように今、ある製品で適当に間に合わせてしまう。

更に注入器具もわざわざ試験的に購入してまで各社のものを比較して勉強する余裕もありません。

基本的な事が判らないで見よう見真似で施工する、だから失敗をする。

また、数種類ある仮止めシールの機能、性能も経験がないから汚さなくても済む下地でも余計に汚してし

まう。



低圧注入工事は決して難しい仕事ではありませんが、いくらなんでも基本的な事は理解しなければ確実な

仕事はできません。


フロッグを造る時にこの部分は工夫したのですよとか、高機能になりましたよとか、低価格で供給できま

すよと話しても、このような専門ではない職人さんにはさほど必要性がない為になかなか共有化して貰え

ません。

残念ですが理解はしてもらえません。


次回は 何故専門工事店に仕事を発注しない・・・を報告します。