写真は台風で剥がれ落ちたタイルです。
この程度の風圧で落ちるタイルならその接着力は非常に弱くて大変に危険だと思います。
タイルの浮きについての補修方法は新しく張り替える方法と接着剤を注入して補修する方法がありますが
私は新しく張り替えることを薦めます。
注入を専門にしていても私が施主の立場になって見れば注入による接着方法は完璧な方法とは言いづらい
のです。
その一番の理由は見えないところで接着させるという事に不安を持つのです。
ひび割れの場合は浸透性の良い超低粘度の樹脂を圧力をかけながら注入しますからその接着性はあまり疑
いは持ちません。
例えばゴミがある床に樹脂を落としてもゴミと一緒に浸透しながら床に接着してしまいます。
しかし、タイルの浮きに使用するグリス状の硬い樹脂の場合は浸透性はありますがゴミの上に落としたと
しても流れて床と一緒に接着すると言う事程ではありません。
タイルの浮きについても低粘度型で接着させれば良いのですが、目地などの隙間から流れ出してしまうの
で使う事はなかなか難しいのです。
しかし現実にはタイルの補修は殆どの場合は貼り替える事よりも注入による補修方法が圧倒的に多いと思
います。
今回の剥がれた建物の場合は新しく貼り替えるにはタイルの在庫が無い事と、補修を急ぐと言う事で注入
による方法で施工という事のようです。
発注するほうが決めたのなら仕方の無い事です。
タイルの浮きの注入による補修の方法は、浮いている箇所に穴を開けてその部分に高圧で樹脂を充填する
方法なのです。
ただ、エポキシ樹脂の場合はコンクリートの数倍の硬さですから充填した箇所が脆くなる場合があります
そのためにネジのピンを補強のために樹脂を注入した後に空けた穴の中に挿入しておきます。
このような工法をピンニング工法といいます。
写真の下の図面は国土交通省の浮き補修の仕様書の一部です。
黒い●は穿孔して注入する場所を決めています。
つまり1m2について16箇所の穴を開けて注入しなさいという方法と、1m2当り25穴に注入しなさいなどとそ
の方法を指導しています。
この場合には穴は多いほど安全と言えますが、少ないのは経済的な理由です。
この穴数を決めるのは殆ど設計士によるか現場の監督さんです。
公的な建物の場合は事前に仕様書に沿って技官等が決めています。
穴数で予算が大きく違いますから現場で仕様を簡単に変える事は殆どありません。
タイルの浮きの場合は殆どの場合は1m2当り16穴が標準になっています。
今回の補修方法について当店の場合も16穴で行なう予定ですが、台風の風力で落ちる程度の接着力ですか
ら注入圧力で共浮きが発生する可能性があります。
従って併用工法を薦めています。
併用工法とは16穴の内4穴を先に注入をして樹脂が固まり、固定してから残りの12穴に注入をするので
す。
手間ですが比較的安全な方法です。
台風が過ぎたら翌日には3件の引き合い・・・ひび割れから漏水したとか。
今月になりやっと満杯状態で忙しくなってきました。
話は変わります。
また、また八ッ場ダムの件
テレビで自民党の議員達が地元の当事者達と話し合いもしないでいきなり中止するのは民主主義ではない
と厚かましくものたまう。
今まで自民党が決めた事で必ず当事者に説明したのか・・・。
後期高齢者の医療保険は決める前に高齢者に相談したのか。
郵政民営化のマニフェストで郵便局の人たちに相談したのか・・・勝手に決めて実行したではないか
法律とか方針とかを政権政党で決めた事を、いちいち当事者達全員に相談してそれで物事が進むと本気で
思っているのでしょうか。
こんな子供でもわかる理屈をいかにも正しいと言うような顔をして言っている自民党の政治家達、今まで
この人たちに任せていた国民は本当に不幸です。
はい・・・。