低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

営業中の漏水は困ります

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飲食店の天井から漏水です。

緊急と言う事で土日の早朝に低圧にて注入をします。

強い雨の時に天井から漏れてくると言う店長さんの報告から推察すると天井のひび割れと壁面のひび割れにその原因はありそうです。

微細なひび割れから雨水が漏れてくるのは、風を伴った雨の場合に屋外と室内の気圧の差が原因だと思われます。

気圧差が無い場合は微細なひび割れの中に簡単には雨水は入り込めません。

例えばフロッグに圧力をかけないで(タンクに穴を開けて)ひび割れ部に水を注入しても水は全く侵入しては行きません。

やはり適当な圧力が必要なのです。

少ない雨でも漏水すると言うなら、ひび割れ以外に原因はあるのではないかと疑ってみる事が大切だと思います。

夜明け前の早朝からこの店舗に入り込み注入をします。

赤色の塗料を剥がしてみると、ありました0.3㎜程度の湿ったひび割れが。

フロッグを取り付けて水中硬化タイプの低粘度樹脂を注入します。

10分でタンクのラインから10㎜ほど入りました。

営業開始が10時ですから9時までには終了しなくてはいけません。

空に近くなったフロッグに2度目の注入をします。


この程度のひび割れの距離ならば2度の注入で裏側へ貫通していると信じて終わりにします。



東京は眠らない街と言いますが、繁華街へ来るとこんな薄暗い早朝でも店は開いているし、人も結構歩い
ているし・・。

その通りだと思います。

普段は近くでも夜中とか、早朝にはこんな所には来ないものね。



話は変わりますが

訪問された方の意見でこのブログで報告している事が正論ならば・・・と言う意見がありました。


今まで色々と報告している事が正論であるかどうかなどは殆ど考えた事がありません。

このブログに報告している事は全て経験に基づいて報告しているからです。


例えばひび割れは一定の決まった幅ではない、同じひび割れでも表と裏側では違っているとか、また

ひび割れの奥にはジャンカ(巣穴)があるとか・・・。

コンクリート構造物の床、壁面の厚さは150㎜程度から1500㎜程度まであります。

この厚さの違うひび割れにはそれなりの方法が必要となります。

そこに正論とか、正論ではないとかはありません。

いかにして確実に樹脂を充填するかが必要なことだと思います。


数年前に独立行政法人土木研究所のコンクリート・・・という所から電話がありました。

フロッグのマニュアルの小冊子に書いてある『ひび割れ幅と適合硬さの樹脂』の表を見てこれはどこの文献から抜粋、掲載したのかとの質問がありました。

オリジナルなもので私の経験と実験による結果です・・と答えた事があります。

『うーん、それでは裏づけが必要ですね、大学とか、研究所での報告でないと信用できませんね』

『ですが、未だにこんな基本的なデーターすら公的にも樹脂メーカーにもないと言う事が、変だとは思い
ませんか』

例えば、微細な0.2㎜程度のひび割れには超低粘度、1㎜の大きなひび割れにはグリス状の樹脂が適合です。

どんなひび割れにも低粘度型の樹脂だけでは、入らなかったり、入っても時間と共に流下したりして目的は達成できません。

こんな常識すら決まりがないのですから。 いえ、知らないのですから。

我が愛すべき低圧注入工法の現実はこの程度なのです。

直接に拘わりのない人達には信じられないでしょうね。