低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入工法は信頼できるのか2

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前回に引き続き低圧注入工法の問題点について報告します

低圧注入工事の専門店とは・・。

専門店とは何を根拠にと言う事については、それぞれに考え方があると思いますが、私は次のように考えています。

職人さんにしろ会社にしろそれは低圧注入工法を生業(なりわい)としている、生活の糧を少なくとも売上げの半分以上は低圧注入工事で得ている。

低圧注入工法に使用する器具、樹脂、仮止めシール材は少なくとも数種類は在庫をしている事

出来れば国家資格の注入技能士の資格を持っていること(独学で知識があれば特には必要はないと思います)


どうして専門家でなくては駄目なのか、確実な注入さえできれば良いのでは

そうなのです。確実にひび割れの中に樹脂を充填できれば誰であろうとも問題はないのです。


しかし、兼業の場合に果たして確実な注入ができるのでしょうか。

前回にも言っていますがひび割れ幅と樹脂の硬さには適合性があります。

小さなひび割れの中には硬い樹脂はどんな方法でも注入はできません。

大きなひび割れ幅れの中に柔らかい樹脂を入れても、入るには簡単ですが樹脂は時間と共に下のほうに流下してしまいます。

新しい現場に注入に行くには必ず数種類の硬さの樹脂が必要です。

一本のひび割れでも、上から下まで、そして表と裏側ではその幅は決して一定ではありません。

少なくとも2種類以上は現場に持参しないと確実な注入はできません。


年に数回しか注入工事をしない兼業の方達に季節に会った樹脂を数種類用意ができるでしょうか

僅か10m程度の注入工事でそんなに樹脂を用意していたら採算が全く合わないでしょう。

専門なら常に在庫をしていますから用意するのは簡単な事です。


そして、注入工事を専門としていれば各種の器具についても研究をするだろうし各社の製品の欠点だとか長所を経験で知る筈です。

風船そして注射器の中に樹脂を入れてひび割れに取り付けて、後は樹脂が入ろうが入るまいが知らないよでは困ります。

ひび割れの奥に巣穴が有れば樹脂はすぐになくなってしまうし、器具の周りから樹脂が漏れてきたら放置すれば樹脂は全て外に漏れてしまいます。

隣の器具から余分に樹脂を注ぎ足してフォローしない限りひび割れの中には充填はできません。

それに専門としているなら性能もそうですが器具の価格は気になる筈です。

工事が年に数回きりなら材料費は多少高くても元さえ取れれば良い訳ですから、簡単なものならなんでもいいと思うでしょう。

しかし、1コにつき100円も差が有れば1000コ(ひび割れ約250m分)で10万円も差がでますから注入工事を生業にしているなら当然気になるし性能が同じなら安い方を選ぶでしょうね、

注ぎ足しが簡単にできる器具はフロッグと他に1種ありますが、この製品の売れ先は専門の専業の会社かもしくは注入工事に意識がある会社が圧倒的に多いのです。


熟練の専門職人が必要なのは良い仕事をする為に必要なのです。

タイル屋さんと左官屋さん、防水屋さんとシーリング工事屋さん、塗装屋さんとペンキ屋さんなどなど

それぞれに仕事は似ているのでやってやれない事は無いけど現場では殆ど専門以外には手を出しません。

いい仕事をするにはやはり熟練の仕事が必要なのです。

使う道具、揃えている材料などで他業種の職人さんは敵わないのです。



注入工事は場合よっては将来の重大事故の防止など建物に大きく影響する仕事なのにどうして熟練の専業の職人さんが育っていないのでしょう。