低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入工法を1日で終わらせる場合

昨日と今日は雨で仕事はお休みです。
 
先週末にひび割れの補修を一日で終わらせて欲しいとの事で、なんとか終わらせる事が出来ましたのでそのやり方を報告します。
 
そもそもひび割れ補修の低圧注入工法は基本的には3日間は必要です。
但し下地に傷を付けても良いという場合は仮止めシール材を速乾性のエポキシパテで施工します
この場合は2日間で終わる事もできます。
 
 
一般的な下地を傷をつけない剥離性シール工法の場合は3日間は必要となります
 
初日はフロッグの取り付けと仮止めシールの施工
剥離性の仮止めシールの硬化は約10時間は掛かりますから次の工程は翌日となります。
 
2日目はエポキシ樹脂を注入します。
エポキシ樹脂の硬化はやはり10時間程度は必要です。
 
3日目にフロッグとか仮止めシール材を撤去します。
そして完了となります。
 
1日で完了したい場合は以下のようにすると良いのですが。
ひび割れ幅が明らかに貫通しいてる場合でしかもひび割れ幅が0.4㎜以上の場合に限ります。
更に火気の使用がok等々の条件がありますよ
 
そもそも低圧注入工法は時間を掛けてゆっくりと小さな力で樹脂を押し入れる方法ですから微細なひび割れについてはやはり3日間は掛けて欲しいのです。
 
イメージ 1  速乾タイプの仮止めシール材でフロッグの取り
  付けとシールを行います
 
 
 20分ほどで硬化しますから直ちにエポキシ樹脂を注入しますが、最初の注入は通常の超低粘度型及び低粘度型の樹脂を注入します。
 
60分程経過してから注ぎ足します。樹脂は水中硬化型の低粘度型で60分で硬化が始まるような樹脂を注入します。(季節区分は必ず冬用を)
 
 
 
イメージ 2
 
2~5時間後ぐらい経過してから仮止めシールを撤去しますが、仮止めの速乾性のエポキシ樹脂は硬く下地にしっかり接着していますから、バーナーで炙りながら剥がすと簡単に剥がれます
 
但し下地の塗装は一緒に剥がれてきます。
気を付けて炙りながら剥がすとモルタルには殆ど傷が付きません。
 
 
後は塗装屋さんがタッチアップしてくれれば完了となります。
 
 
このような工法の場合は施工前に必ず下地は塗装が取れたり、削る為に下地が痛みますよとの事前了承が必要です。
 
塗装も補修したところがムラになりますから必ず事前の了解を取る事が大切です。
 
水中硬化型の樹脂を注ぎ足した場合にその注入量はほんの僅かでokです。
表面にあるエポキシ樹脂だけが固まってくれれば良い訳で、奥に納まっている通常の超低粘度型及び低粘度型の樹脂は未硬化でも漏れてこないのでそのままでいいのです。
 
エポキシ樹脂には硬化促進剤が生産、販売されていないのでこのような方法しかありませんが、メーカーでその気になれば促進剤は造れるのですが、残念ながらユーザーから要求が無いために今はないようです。
 
低圧注入工法が一日で済むとなるとこの価格は極端に安くなりそうですね・・・・。嫌かも・・。
 
今回の建物は私学の女子中学高の寮のお風呂場なので時間が取れなかったと言う事情がありました、こんな風な特殊な事情がない限り低圧注入の施工はゆっくりと3日間を掛けて行う方がベストです。