低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

心に残る現場

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今日は過去に行ったひび割れ補修工事で今も強く心に残っている建物の紹介です

当店のホームページの表紙にも使っていますが、この建物のひび割れの数量は半端ではありません。

東西南北全面が写真のような様子なのです。


延べ4000mでした。


建物は知名度が高い割と高級なホテルなのですが建物のオーナーは大手の不動産会社です。


営業中のホテルですから作業開始はチェックアウトの午前10時からです。

終業時間は午後4時となります。

夜景が見えないとか、ゴンドラから室内を見ないとか色々な理由でシートは巻き取り式を採用して、終業

とともに上のほうに巻き取ります。


当然ゴンドラも上下左右の自動移動式を採用しました。


工期は3ヶ月でしたが、それこそぎりぎりに間に合った工事でした。



作業の途中で不動産会社の役員さんたちが視察に来たのですが、この仮止めシールを見て愕然としたようです。

写真はゴンドラの範囲だけの仮止めシールが写っていますが、実際は全面にあるのですからそれは確かに
びっくりするでしょう。

施工した我々だってゴンドラから降りて見上げると壮観だと感動したのですから。


これだけ沢山のひび割れで・・建物の強度は大丈夫なの?


設計事務所も建設会社も想定内だとして施主には説明していたようですが。


建物は12階建で築後7年目(施工時)ですが、地盤に問題があり地上4階からは軽量のコンクリートを使用し

たらしいのです。

写真を見ると外壁はPC版のように見えますが、構造はRC(鉄筋コンクリート造)なのです。

たしかに、柱,梁のひび割れについては殆ど貫通したものはないし、壁面についても貫通したひび割れは

全体の5割(半分)程度だったので、さほど心配にはならないのではないかと我々も納得したのですが。


設計事務所も、建設会社もこの建物の強度については余程自信があったのだと思います。


一般的な考え方だと強度に関係のないひび割れについては塗装で隠してしまうと思うのです。


この建設会社はひび割れについては見えるものについては徹底して補修しようと、我々に指示をしていま

したから・・・。



今にして思うとよくぞ勇気を持って予算と施工期間を充分にとったものだと感心しています。


この工事から既に8年近くも経過していますが、ひび割れの再発などはありません。


この建物をみると、なんだか威風堂々としていて微動だにしない風に見えます・・身びいきかな。