梅雨時は地下の水位が上がり突然にひび割れから漏水してきます。
このようなひび割れの場合は晴天が続いたときには漏水しないのですから、本来ならひび割れの中が乾燥
している時に通常の方法でフロッグにて樹脂を注入すれば何の問題もありません。
今回のように漏水してから直ちに補修をする場合はその施工方法も簡単にはできません。
施工はかなり複雑になってきます。
低圧注入工法は注入するための器具(フロッグ)を取り付ける接着剤、そして注入した樹脂が漏れないよう
にする仮止めシール材などが必要なのです。
ひび割れ付近が濡れていたりすると水気に適応する適当な接着剤がありません。
接着剤で水の中でも簡単に接着するようなものは限られた樹脂になります。
特に重さのある器具を取り付けるとか、流れている水の上に接着させるという適当な樹脂、製品は市場に
はありません。
つまり水にも接着して、しかも直ちに硬化してしまうものでなければいけません。
樹脂の中には硬化の時間が長いものだとあるにはあるのですが、それでは水圧で流されてしまうのです。
そこでフロッグの導入路工法は写真のように行うのです。
フロッグを取り付ける方法は、ひび割れの上に丸い穴を作り、その穴の中にフロッグの台座を四角に切り
押し込むのです。
こんな風にしておけば水圧があってもフロッグは落ちないでしょう。
特に水圧が強い場合はフロッグのノズルを取って開けておけば水はノズルから流れ出してフロッグには圧
力は掛かりません。
ひび割れの処理は写真のようにサンダーでひび割れに沿って幅5mm程度の溝を造りそしてその中にパイ
プネットを挿入するのです。
ここまでできたら次は注入した樹脂が漏れないようにフロッグの周りと溝の上に急結セメントを練って隙
間なく漏れないように塗っておくのです。
急結セメントは水の中でも1~2分で直ちに硬化しますから、水の中でも平気です。
セメントが硬化したら注入を行います。
但し注入材は水中硬化型エポキシ樹脂の低粘度タイプを注入します。
樹脂はパイプネットの中を満杯にした後、更にフロッグから樹脂を注ぎ足して圧力を掛けるとひび割れの中に進入していきます。
フロッグの圧力は最大30kgにもなりますから進入してくる水圧には簡単には押し戻されません。
もしもひび割れの中が小さくて樹脂が入りにくい場合もパイプネットの中は満杯になっていますから樹脂
が固まり次第漏水は確実にとめることができます。
ひび割れから水がでてきてもフロッグの場合は施工はできるのです。
サツカーでは負けたけどひび割れ補修ではパラグアイには負けないけんどねぇ・・・。