低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

地下室の漏水はフロッグ導入路工法で

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写真は戸建て住宅の地下室の止水工事の様子です。

要求は床と壁の切り付け部分からの漏水そして壁面からの結露水の防水。

切りつけ部分の止水はフロッグで比較的確実に止水はできますが、壁面表面からの結露については乾燥するまで待つて背面防水材を塗布するしかありません。


施工の手順は写真の通りです。


1,は切りつけ部分に注入するための溝を切り込みます(奥行きは30mm程度)

2.ネットを伸ばして溝の中に押し込みます(このネットの中に樹脂が浸透します)

3.フロッグを取り付けます。

この際にフロッグ台座の横にある折り線に沿って台座を上に折り曲げます
ネットのなかに入らない程度に仮止めシール材で取り付けます
溝等が濡れている場合はシールは急結セメントで行います

4.水中硬化型の低粘度タイプのエポキシ樹脂を注入します
 
両隣のフロッグの中に樹脂が上がってきたら次へ進みます。

圧力が掛かったままで注入は完了です。


樹脂が硬化したら溝の中にあるネットを確認します。
樹脂が回っていたら合格です。


最終の仕上げは可とう性エポキシ樹脂で仕上げます。



ここの部屋の場合は壁面からも結露した水滴が下に流れ出してきます。

このように壁一面に濡れている場合は裏側の水が無くなるまで待つしかありません。

壁面の結露水は裏側の冷たい地下水が室内の高い温度に向かって壁面から出ようとする力ですから簡単には止水はできません。

濡れている壁面に防水材を塗布しても接着不良と水圧でその効果も殆ど期待はできません。


強制乾燥させるか自然乾燥を待つしかありません。

乾燥したら直ちにエポキシ系の背面防水材を塗布すればほぼ間違いはありません。

更に、防水材は硬化を早くして(促進剤がなければ仕方ありませんが)塗布するとより効果的です。


背面防水材はその素材が水によって膨淳するタイプのものは不適だと私は思います。

ウレタン防水などは不適格です。

エポキシ樹脂のように硬化してしまえば水の中でも変化しないというような素材のものが背面防水材と言えます。



一般の方は壁面の結露もひび割れからの漏水も造る側の責任としていますから、我々施工する立場の者が

丁寧に説明をする必要があります。


冷蔵庫から取り出したビール瓶の表面に水滴が沢山付着するのは決して瓶を突き抜けてビールの中の水が出てきているのではありません。
温度差による空気の中の水分が付着するのが原因です。


コンクリートの中に浸透している水が暖かいほうに向かって表面の壁面に水滴が付くのは確かに空気中の湿気が原因の結露ではありませんが、温度差によるものとしての原理は一緒なのです。


地下水がある場所のコンクリートであればその現象は防ぎようがありません。


建築技術が進んだ現代でもこのような現象に対応するには、昔から使われている二重壁構造にして排水処理をする方法しかありません。

簡易的には今回のように表面に皮膜を作り空気中の湿気(結露)だけにするとか・・・。