低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入器具フロッグのメカニズム

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今週はフロッグの納入などで現場は久し振りに休みです

横浜の防衛庁施設のひび割れ注入は突然の延期となり今週の工事は休みなのです

さて、今日はフロッグの低圧樹脂注入のそのシステムを紹介しましょう


写真の上はフロッグを天井面に取り付けて樹脂を充填した時の状態です

矢印は圧搾空気が樹脂を押す方向です


注入口には逆止弁が付いていますから入り込んだ樹脂は逃げられません


取り付けたときにフロッグの中には空気がありますが、注入口から樹脂を入れると最初にあった空気は

樹脂が入り込んでくるためにその容積が小さくなっていきます。

つまり、空気が小さく圧縮されてしまいます


この状態(MAXラインまで充填した時)でそのまま放置すると、圧縮された空気は元に戻ろうと入り込

んできた樹脂を押して元に戻ろうとします。


この時に戻ろうとする空気の力は2㎏(国際単位では0.2Mpaで力は 0.2N/mm2)になります


この力で押された樹脂は天井のひび割れに向かって押し上げられます


このシステムがフロッグによる低圧注入工法の基本なのです



フロッグの中の樹脂が減っていくと空気の力は小さくなっていきます


樹脂が無くなってきたら再度注入口から樹脂を注ぎ足すと再び空気が圧縮されますから再度樹脂を押し上

げていきます。


樹脂の量はMAXラインまで入れると20CCの容量になります。(床壁用は18CC)


例えばひび割れ幅が0.3㎜でスラブ厚(天井面のコンクリートの厚み)が200㎜だったとすればそのひび割

れの中の容積は1M当たり60CCとなります。

フロッグは標準で1M当たり4コを取り付けますから、このひび割れの中には1コ当たり15CCでひび割れ

の中は満杯になるという理屈になります。


この場合には標準的にはフロッグの注入は注ぎ足しをしないで一度で充分となります


但し実際の施工時には天井の裏に樹脂が溢れても問題とはなりませんからもう一度樹脂を注ぎ足したほう

が更に確実となります。

ひび割れの中にジャンカ(巣穴)とか配管(電気コード)がある場合も考慮して余分に注入するとより安

心できます。


ひび割れの注入工事をする時は必ずこのようにひび割れの中の推定必要量を頭に入れて置くといい仕事が

できます。


写真の下の床に注入している器具はフロッグ床壁用です

この器具は壁面にも使えますが天井面には使えません。

この器具は2年前に造ったのですが軽くて使いやすいと好評です。

売り上げの70%はこの製品です。


フロッグはこのように空気の圧力を利用していますから、色々な使い方ができます。

フロッグの中に樹脂が残っていて圧力が不足していると思えばポンプで空気だけを空打ちをすると圧力が

上がり樹脂に勢いか付きひび割れの中に入っていきます。

樹脂を入れすぎたり意外な場所から樹脂が漏れてきたような場合は、フロックにある出っ張りに穴を空け

ると圧力は抜けて樹脂はとまってしまいます(緊急停止装置は矢印部分が薄くなっています)


まだ色々と工夫している機能がありますが今日はここまで・・・・。