低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入には注ぎ足しが必要

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写真はエポキシ樹脂を注ぎ足している様子です

樹脂の注ぎ足しは必ず超低粘度型から始めます


超低粘度型の樹脂は国内では100~200mPa.s(てんぷら油と牛乳の間程度の硬さ)が一番柔らかい樹脂とな

っています。

この硬さのエポキシ樹脂が低圧注入工法に採用されだしたのはほんの15年ほど前だったと思います

そうなのです、それまでは殆ど使われなかったのです。

もっとも、今でも殆どの工事店では使っている様子はありませんが。


断定は出来ませんが、その当時以前に注入していたひび割れ幅の0.3㎜以下程度のものは殆ど注入は出

来なかったのではないかと思います。

更に25年ほど前までは低圧注入には中粘度型とか高粘度型のものは使わないのが常識となっていたのです

今にして振り返ってみれば橋梁にしてもトンネルにしてもかなりいい加減な事をしていたのではと・・・

不安に思います。

ひび割れの中は瓶のように底があるわけではありません。

柔らかすぎると下の方へ流れ出してしまいます。

前回報告の注射器タイプ、風船タイプのものなどは製品開発のときから樹脂の注ぎ足しとか硬い樹脂を入

れるという考え方は無かったのだと思います。


ひび割れ注入のことはあまり理解していなかったのでは・・? と思いますが・・言い過ぎですか。


国、地方の役所の担当者はひび割れの中に本当に樹脂が入っているのだろうかとかの疑問を持たなかった

のでしょうか。


メーカーの言いなりにすべてを信じていたのでしょうか。


低圧注入工法がいい加減な工法だとか、その結果についてはまったく信じていない方達はその時代を経験

しているのではないかとも思います。


今も現場でフロッグで注入していると職人さんが

『低圧注入は樹脂が漏れるだけで入らないよね・・』 などと話かけられることが再々あります

過去に自分で経験したと言います。


入りそうもないと思っている方達のほとんどは経験した職人さんと言うのも現実味があります

経験した職人さんしか知らないから、だからこの問題点は深く隠れてしまっているのだとも思います

施主の国とか自治体の担当者がもう少し問題意識を持って勉強をしてくれていたら、低圧注入工法はとっ

くに確実な頼りになる工法として解決していたのだと思います。


微細なひび割れ幅には超低粘度、大きな幅のひび割れには留まる為に中、高粘度型の樹脂が必要なのは子

供でも解りそうなこと。


接着剤には原則として下地処理のプライマーが必要です。

ひび割れの中にはカビ、粉体(エフロ)がある場合があります。

プライマーとしてそして滑りを得るためにも最初に超低粘度型の樹脂を入れることは私は不可欠だと思い

ます。


素人でも出来る10mキットと言う低圧注入工法の商品があります。

これなどは低圧注入というものがまったく理解していないメーカーが売るためだけに造った商品だと思い

ます。

このキットの中には器具が40コと仮止めシールが10m分、そして低粘度型の樹脂(500mPa.s程度)が1セット

が入っています。


ひび割れが小さい所とか大きいところはどう考えているのでしょうか。

ひび割れの中に巣穴があったり水で濡れていたりしたら・・・それでも完了できるのですか。

素人に売っているからどうでも良いと思っているのでしょうか。

施工したらその結果に関らず施主にはお金を請求するのですよ。


樹脂が一種類しかないと言う事は、ひび割れ幅に合わせて注入するのではなく樹脂に合わせて注入すると

言う事になります

運が良ければ注入できるし・・・となります


これでは常に対価に値する工事とは言えませんね。