低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れの注入はこんな風に

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東日本の震災以降フロッグの問い合わせも多くなってきています

引き合いが多いと言う事は、本来ならばとても嬉しいことなのですが実際には非常に複雑な気持ちです

震災によって発生したひび割れについては全て国でその費用を負担するなどと言う事ならば少しは気持ち

が晴れるのでしょうが、全て個人負担となると施工する我々も気が重くなります。


フロッグで施工をしていると傍を通行している高齢の方から費用を聞かれて、取り敢えずおおまかな費用

を言うのですが、黙られてしまいます。

出来ることなら無料でやりたいのですが・・・・。


こんな時の為の補修する材料と技術なので仕方のない事なのですが。


今回は同業他社でもこの低圧注入工法を現場で施工していると思いますが、この仕事の専門施工店が全国

でも殆ど存在しないと言う事もあって僭越かも知れませんがその正しい施工方法について報告します。


ひび割れた箇所に強力な接着剤を充填するという単純な目的の仕事なのですが、その施工方法はそんなに

は簡単ではありません。


震災で新しくひび割れた箇所であってもその幅は決して一定ではありません

表面は0.4㎜であっても裏側は必ずしも同じ幅ではありません

その幅は大きくなっていたり小さくなっていたりします。


ひび割れたコンクリートの厚さもビルの壁は150㎜であっても柱とか梁は500㎜~600以上もあります


低圧注入を行う場合は必ずこのような色々な違いに必ず対応しなくてはいけません。


微細なひび割れ幅から大きなひび割れに対応するには、決して一種類の硬さの接着剤だけでは不完全とな

ります。

例えば、微細なひび割れには超低粘度型しか注入はできません。

1㎜幅もあるような大きなひび割れには高粘度型の樹脂が必要です。


つまり微細なひび割れにグリスのように硬い樹脂を入れようとしても入るわけはありませんし、1㎜幅の

ように大きなひび割れに低粘度型の柔らかい樹脂ではせっかく注入しても樹脂は時間と共に下の方へ流れ

出してしまいます。


ひび割れはビンのように底があるわけではありませんから、柔らかい不適合な樹脂では時間とともにひび

割れの中は空洞になってしまいます。


ひび割れ幅と樹脂の硬さの適合性があるのだと言う事を理解して欲しいのです。


いつも低粘度型の樹脂で、しかも一回限りの注入では殆ど不確実な注入になるという事をしっかり理解し

て欲しいのです。(輪ゴムで取り付けたら終わり、では駄目ですよ)


結果が見えない施工方法ですから、どんないい加減な施工でも通ってしまうのですが、これではあまりに

も不誠実だと思います。


ひび割れ幅と注入樹脂の適合粘度

0.05㎜~0.1㎜ は超低粘度型が適合です
0.2㎜~0.5㎜  は低粘度型  〃
0.6㎜~1㎜   は中、高粘度 〃

では具体的にはどうすれば理想的かといえば、どんな場合も必ず超低粘度から注入をします

そして樹脂の注ぎ足しは適合した樹脂を推定量程度以上に注入するのです。


定量はひび割れの幅×長さ×奥行き×130%(ロス分)で算出します。


超低粘度型を最初に注入する利点は注ぎ足す樹脂の接着力を高めるという事と、注ぎ足す樹脂の滑りを良

くするというメリット、そして何よりも微細な隙間にでも確実に押し入れることが出来るという事なので

す。


慣れてしまえば簡単なことなのですが、残念ながら殆どこんな事はしないという施工店が圧倒的に多いの

には悲しくなります。


おじさんの涙は見たくないってかぁ・・・。