写真はマンションの一階の駐車場の出入り口に発生したひび割れ補修の様子です。
一般的には駐車場の床面に微細なひび割れがあったとしても何の問題も無い筈なのですが、ここの場合
はひび割れから湿気が出てきてエポキシ系の塗り床材を押し上げて剥がしてしまったのです。
駐車場の出入り口の地下は電気室となっているのですが、その部屋の床の切りつけ部分からも漏水してい
るために、部屋の湿気が暖かい駐車場に押し上げられて床材さえも押し上げたと考察できます。
案の定、電気室の天井部に同じ位置にひび割れが確認できます。
例え微細なひび割れであっても、地下室に湿気があればその水は隙間があれば必ず暖かい方へ向かってい
きます。
湿気とか水が移動する時の習性?はどんな場合も同じなので経験すればそのメカニズムは比較的簡単に理
解できます。
今回はより確実な方法として表の床面のひび割れは導入路工法で施工します。
地下のひび割れは通常の低圧注入工法でひび割れの中に注入をします。
地上のひび割れは
1. サンダーで4㎜幅の溝をひび割れに沿って深さ30㎜の溝を切っていきます。
2. 溝にパイプネットを装填します
3. 溝の上にフロッグを取り付けます。シールは速乾のエポキシ仮止め材で行う
4. 超低粘度型の樹脂から注入します
5. 樹脂が減っていく場合は高粘度型の樹脂を追加注入します
6. この時に地下の天井面のひび割れから樹脂が漏れてきたら・・合格です
7. 漏れてこない場合は、今度は地下の天井面から注入します
この導入路工法の利点は、ひび割れの上に溝を造りその中にネットを入れていますから、注入さえすれば
例え下の方のひび割れの中に樹脂が入らなくても溝の部分は確実に樹脂で満たされて隙間を確実に防ぐ事
ができ更にはこの部分はコンクリートよりも強く補修ができます。
ネットは何のために入れるのかって・・・・?
いい質問です
導入路工法は、もしもひび割れの中に樹脂が入らなかった場合も溝の部分は確実にエポキシ樹脂で埋める
ことが出来るという方法なのです。
でも出来ることなら裏側まで樹脂が入って欲しいのですから、低圧の力をひび割れに伝えるために隙間の
あるネットにしているのです。
それにネツトなら仮止めシール材が溝の中に埋まってしまうという事もないでしょう・・。
止水の場合はセメントが仮止めシール材になりますからネットが無いと溝が埋まってしまうのです
ひび割れ注入施工を生業とするならこんな風な材料も常に在庫して、臨機応変に対応しませう。