低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ユニットバス裏のひび割れ注入

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非常に珍しい事ですが、マンションのユニットバスの天井裏のコンクリートにひび割れが発生して漏水し

ています。

通常の場合ならこんなところのひび割れなんて分かる筈はないのですが、雨天の日にポタポタと漏れてい

る音で発見されたそうです。


当然の事ですが、漏水の原因を先に見つけてその防水処理をしてからこの箇所の注入工事となります


この箇所のひび割れが建物の強度には殆ど影響しないと解っていても、防水処理はできたからと言って

そのままと言う訳にはいけませんよ・・・・ね。


立場を変えてみれば高いお金を出して買った財産です、放置は絶対にできません・・。


確かにこの程度のひび割れについてはさほど気にする事は無いのでしょうが、もしも、注入をしないのな

ら貫通したひび割れの中に湿気等が入り込まないようにせめてシーリングなどをするべきだと思います。


そのまま放置しておくと風呂場と天井裏の温度差で結露水が発生してひび割れの中の鉄筋が錆びて

しまうかも知れません。


30年先には周りのコンクリートが中性化して爆裂しているかも知れません。

今なら、簡単に安く出来ます・・・天国で悔やまないように完璧にやりまっしょうよ・・。


基本通り超低粘度型の樹脂を天井裏に流れ出すほど余分に注入しておきます・・ハイ・・。




話は変わりますが、このコンクリートのひび割れ補修についてはインターネットで見ると沢山の色々なや

り方、考え方があるものだと不思議に思います。

例えば車とかテレビとか殆どの場合はそうなのですが補修すると言う事は壊れたものを元通りの機能に戻

すと言う事だと思うのです。


ですから、誰がやっても多少のやり方が違っていたとしても修理した結果は皆同じなのです。


コンクリートのひび割れについては補修する方法も、結果も、更には考え方も千差万別なのです

おかしいですよね・・・。


ひび割れの補修は当店にお任せ・・なんて書いてあるから見ると・・ひび割れの表面に樹脂を塗りこむ

だけとか、またはひび割れの中に発泡した柔らかい樹脂を注入するとか更には溝を造って弾性のシーリン

グ材を充填するとか・・そして、なんだかひび割れの中で結晶化させて内部を塞ぐものとか・・・

それは色々の方法があるようです


色々とある方法を決して批判しているのではありませんが、一般の方達はこのような特定のカタログを見

ると全てのコンクリートのひび割れ補修はこれで良いのだと思うのではないかと思うのです。


ひび割れの補修をする目的が色々とある筈なのですが、いかにも全てのひび割れに対応できるような表現

が殆どなのですから。

当然ですが、自社の都合の悪いことはカタログには書く筈はありませんからね


何故このようになっているのかは色々と見解はあるのでしょうが、私は構造物に発生したひび割れの将来

における構造物に与える影響についての見解が夫々に違うからだと思うのです。


ひび割れは鉄筋コンクリートの宿命だから昔から発生していて、それは決して建物の強度には影響しない

と考える人は、表面だけの処理方法がベストだと思い・・。


いえ、貫通したひび割れた箇所は極端に言えばその部分は鉄筋だけの強度しかない訳で、もしも、それが

建物の強度に影響が無いのなら、鉄筋だけかもしくは泥で鉄筋を包んでもいいのでしょうか・・・と言う

理屈の人はコンクリートもしくはそれ以上の引っ張り強度のあるものを注入すると言うようなことだと思

うのです。


私の場合は次のように考えています

ひび割れが可動する場合と一度割れたら短期(地震等)以外では殆ど動かないもの、に分けてその補修方法

を考えています。

本来なら目地を設けてコンクリートの伸縮を逃がす箇所なのにコンクリートが繋がっていてひび割れてい

る場合は注入は行いません。

このような場合は新しく目地を造り弾性シーリング材で充填します

動きがあるのなら常に動きやすいようにしておきましょう。


ひび割れが動かないと判断した場合はエポキシ樹脂で確実に固定してしまいます

エポキシ樹脂の引っ張り強度はコンクリートの倍ほどあります

圧縮強度はコンクリートに劣りますが、可動しないひび割れに圧縮する力は掛かりません


国土交通省ではひび割れの幅で可動するかしないかを取敢えず決めているようですが、私の場合は幅では

判断はしません。


構造と周りの様子で充分判断はできますよ・・・。