低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れの原因と現状

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何故コンクリート構造物にひび割れが生じるのでしょうか

学者など専門家によるとその原因は100の症例を超えるそうです

例えば建物の構造によるもの、基礎の不具合そして施工の技術不足、外気の環境によるものなどなど。一

つの建物のひび割れでさえその原因は一様では在りません

そうなのですとても厄介なのです

その中には明らかに施工技術不良ではないかというものもありますが、その因果関係を証明するとなると

とても大変な事だと思います。

建物を建てる場合には一つの会社が全てを施工して完成させるのではなくそれぞれの専門の工事会社が寄

り集まってそれぞれを完成させてその集合体が一つの完成した建物となります。

しかも建物の形、構造については設計事務所がイメージ(?)で創り上げます。

そのイメージを現実の建物に創り上げるのは建設会社でが、例えれば建設会社は、丁度オーケストラの指

揮者のようなものとなります

下請けの各業者の職人はそれぞれの楽器奏者で設計事務所は作曲家に当たります。

こんな形になっているのですからひび割れについて何処が責任を取れるのかというと施工技術については

指揮者である建設会社で構造的な原因の場合は設計事務所となります。

理屈ではこのような事ですが現実にはひび割れの原因さえ多岐に渡っている訳ですから殆ど責任の所在は

はっきりしません。

特にひび割れの苦情に対して良く言われる事は乾燥収縮だからいわゆる外的要因によるものだから・・

外的要因的なものは誰にも責任が無いのかという事になりますが、例えば建物の南面の8階にはひび割れ

があるが2階にはひび割れがないのは2階のコンクリートは乾燥収縮はしないのかなどのとてもすっきり

しない理屈に合わない説明が良くあります。

そんな風に色々と深く考えてみると結局は鉄筋コンクリート造りを選んだのが間違いの元となりそうです

それでいいのでしょうかね。それを選んだ人が悪いのでしょうか。

 私はひび割れの補修をする立場ですが、苦情の現場に立ち会うたびに一番の原因は販売する時に鉄筋コ

クリートは場合によってはひび割れが発生する事がありますという事を事前に説明しないという事では

ないかと思います。

ひび割れが発生しても場所によっては構造の強度にはまったく関係がないような箇所があります

またひび割れは見方によっては建物の動きを保護するというような役目をしている場合もあります

もしも建物の動きとか乾燥による収縮をひび割れによって吸収しなかったら建物はひび割れる以上に破壊

されるかも知れません


販売するデベロッパーなどは契約時にひび割れについて説明をして更に発生した場合には低圧注入工法な

どがあり殆ど元の強度に戻す補修ができますよ・・などと説明すればこんなに怒られないですむのにと思

います。

いつも思うのですが何事に於いても常に相手の立場に替わってみるという事が大事な事だと思います


自分が20年以上の支払いを覚悟して買つたマンションが入居後すぐにひび割れが発生したら、雨漏りがし

たらどうなのだという風に考えるとが大切だと思いますね。

 私はひび割れにかかわって20年以上になりますが、こんなにひび割れが注目されだしたのは最近のこと

で昔は公共の土木関係では結構ありましたが建物ではそんなには多くはありませんでした。

昔はひび割れが少なかったのでしょうか。

そんなことはありませんね。

昔も今以上にひび割れはあった筈ですが昔はマンションなどの集合住宅はそのひび割れが目立たない造り

方であつた事とそしてコンクリートはひび割れるのが常識というような説明で一般の方には通っていたよ

うです。

例えば隣との戸境壁は今はコンクリートに直にクロスを貼っていますが一昔前まではコンクリートにボー

ドを貼り付けてその上にクロスを貼る仕様でした。

コンクリートとボードの間に隙間がありますからコンクリートにひび割れが発生してもわからない構造

だったのです。

何故この方法が今は採用されなくなったかというと、その理由は次の事が主です。

ボードとコンクリート壁の間に隙間があると室内の音が太鼓のように隙間で反響して隣室などに音が響く

という欠点、そして隙間とボードが無くなると部屋が広くなる、その結果大幅なコストダウンとなる。


建物のためを思うと今のようにひび割れが発生したらただちに解るというのはその症状が見られて良いと

私は思います。


戸境壁であつても耐力壁の場合もあるでしょうし構造に拘わるひび割れの場合は直ちに補修ができますか

らね。


次回は問題山積の補修の方法を報告しましょう。