建築中のマンションのひび割れ補修について、低圧注入工法を採用するのは殆ど大手のゼネコンに限られ
るようです。
笠木のような場合は表面に塗布防水(ウレタン等)の処理をしますから、一般的には下地処理としてひび割
れた部分にシーリング材を摺りこんでそして防水材を塗って仕上げます。
但しこのような方法は、ひび割れたコンクリートの強度を元通りにするというような目的には向いていま
せん。
面倒でも、ひび割れた箇所に低圧注入工法でコンクリートの倍ほどの強度を持つエポキシ樹脂を充填して
しまうと数年後に防水材とも再度ひび割れると言うような事はありません。
3~4年ほどしてからひび割れのクレームとして補修する事を考えれば、工事中に施工して直しておくとゼ
ネコンにとっても無駄に対応する時間等が無くて済みます。
僅かな金額と施工期間ですからこのような苦情が出やすい部位については面倒でも早めに施工していたほ
うが良いと思います。
このような若年コンクリートの場合は時間の経過とともにひび割れが成長する場合がありますが、どちら
にしても早めの処理が良いと思います。
隔壁のひび割れについてはクロスの直貼りの仕様なら尚更、早めに注入をしていた方が良いと思います
モタモタしていると下地処理屋さんでひび割れを塗りつぶされてしまいますよ。
引き渡してクロスが膨れてお施主さんからひび割れを指摘されて苦情を言われるぐらいなら、信用を失わ
ない為にも見逃さないで早めに注入の補修をしましょう。
ここの笠木のひび割れは、樹脂を注入すると樹脂が横に走ってひび割れの先端から樹脂が直ぐに漏れてき
ました。
このような現象の場合はひび割れが浅く下までは貫通していないという場合に起こる症状です
ひび割れが貫通していれば注入で押された樹脂は下方向に行ってから時間とともに横方向に走ります
注入した後に樹脂の動きを良く見て、それによってひび割れ内部の様子を推察できるように経験すること
も良い仕事をするためには必要だと思います。
隔壁の場合は反対側のひび割れを観察して樹脂が漏れてきていれば合格です
但し、ひび割れ幅に適合した硬さの樹脂を注入した場合に限ります
今週は比較的忙しい・・・・景気が上向いているのかそうでないのか・・さっぱり解りません