今週はひび割れが詰まっている場合の注入の方法について報告します
ひび割れから地下水とか強い風雨のときに雨水が進入しているのに、長年に亘って放置してしまうとひび
割れの中からコンクリートに含まれる石灰質のものが流失します。
一般的に我々は遊離石灰の流失と言いますが、人によってはエフロが出ているとも言います。
この遊離石灰は空気に触れると表面から結晶化してしまいます
鍾乳洞の原理と一緒ですね
ひび割れから漏水と一緒に石灰質が出てきてもすぐに結晶化するわけではありません
1年とか2年とかかなり長い間の流失が続くと空気に触れる表面からひび割れを詰まらせてしまいます
更に放置するといつの間にかひび割れの表面は詰まってしまって漏水さえ止めてしまう場合もあります
なら・・注入しなくていいってかぁ・・。
ひび割れの中に接着剤を注入するのに、ひび割れが詰まってしまっては流石の低圧注入工法でも注入は出
来ません。
そこで我々独自の方法ですが、写真のようにサンダーで詰まっている表面を深さ10㎜長さ20㎜の切り込み
を5㎜間隔で2本を造ります。
何故2本なのかといえば5㎜間隔で2本の切り込みを入れてから間のコンクリートをハツリ取るのです
ハツリ取ると詰まっている箇所より奥の方の新しいひび割れが傷をつける事なく現れてきます。
詰まったひび割れをサンダーで直接に上から切り込みを入れるだけで良さそうなものですが・・・・そう
は簡単ではないのですよ。
微細なひび割れの上からサンダーで直接切り込みを入れるとコンクリートの切粉がひび割れの中に詰まっ
てしまうのです。
微細なひび割れは表面を皮スキで擦っても表面は詰まってしまうのです
擦ってしまうと塗装の粉とかゴミとかもひび割れの表面に詰めてしまうのです
注入を始める前に何であろうと擦っては駄目なのです・・・常識な筈なのですが某メーカーでは必ず表面
を皮スキ等で擦ってとありますが、実際に施工を経験をしていないのでしょうね。
そして遊離石灰の詰まっている位置ですが長年放置してあるほど、そして乾燥している箇所ほどひび割れ
の奥まで詰まっているようです。
そのために、切り込みの深さをだんだん深くして確認すると良いと思います。
入らないからしょうがないでは対価に値しませんね
努力して、考えて・・それでも入らない時は原因を元請さんに必ず相談しましょう
他に方法があるかもしれません
切り込んでハッリ取った箇所にひび割れを確認したら初めてフロッグを取り付けます
このようにした場合は必ず樹脂は進入していきます
自信を持ってください・・・。
連休中は原宿の近くのビルの注入工事でしたが、久し振りに原宿を通ると年寄りは殆ど居ないのにびっく
り、お施主さんも若くていかにもおしゃれな原宿風な方でした。
赤羽のヨーカ堂に行くと年寄りばかりで若いのは居ない・・・高齢化社会を経験できるのだけれど